今や、日本のほとんどの人が使っているコミュニケーションアプリ「LINE」。身近な友人や家族と日々会話を楽しみながら利用している、という40代・50代の女性も多いのではないでしょうか。
総務省情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」[i1] によると、LINEの利用率は高く、全体の67.0%にも上っています。世代別に見ても30代は90.3%、40代は74.1%の人が利用しています。
これだけ多くの人が利用しているとなると、身近な人や家族だけでなく、ビジネスで付き合いのある人やママ友など、あらゆる人とLINEでつながる可能性があります。
そこで今回は、大人がLINEを利用するときに気をつけたいことやスマートな利用法など、大人のLINE術をIT・SNSマナーコンサルタントの石川礼子さんに教わります。
■大人もLINEでトラブルが起きることがある?
LINEといえば、「既読スルー」などをきっかけにトラブルが起きているといわれていますが、大人同士のやりとりにおいてはどうなのでしょうか。石川さんは次のように話します。
「LINEはメールと違い、チャット感覚で会話ができるので、売り言葉に買い言葉といったトラブルは私自身も経験しました。電話や会って話をすれば問題のない些細なことなのですが、LINEでやり取りするうちに感情の行き違いが生じて、お互いしばらく疎遠になってしまったんです。
みなさんからよく聞くお話は、グループの会話に入らないでいたところ、自分の知らない間に自分を除いたグループをつくられていたというものです。また、『グループには招待されているのだけど、会話についていけないし、そんなに親しくもないので参加したくないのですが、どうすればいいですか?』という相談を受けることもあります」
意外とやっているかも!「相手に嫌われる」LINEの使い方3つ
大人同士のトラブルは意外と起きているようです。そんなトラブルを未然に防止するために、日ごろから自分が気づかないうちにやってしまっている「相手に嫌われる」LINEの使い方を、石川さんに教えていただきました。
■1:メッセージを「送信する時間」に配慮しない
「深夜などの相手の休んでいる時間などに送ると、通知がスマートフォン上に出てしまい、迷惑になってしまうことがあります。通知の時間設定は受信者側で変更することができますが、必ずしも相手がそれをしているとは限りません。常に送信時間には配慮しましょう」
■2:なんでも「即レス」する
「即座に返信することは相手にとってはうれしいことなのかもしれませんが、内容にもよると思います。真面目な話や深刻な相談などに即レスがくると、『軽い』といった印象を与えてしまうかもしれません。やはりじっくりと考えて、相手の立場に立って返信するほうがよさそうです。メッセージは相手のスマホに残ります。読み返したときでもうれしくなったり、元気づけられたりするメッセージを送りたいものです」
■3:「既読スルー」や「未読スルー」をする
「すぐに返事ができないこともあります。ひとまず、『返事待ってね』『あとで返事します』などを表現してくれるスタンプなどを活用して、反応を示しておくのもひとつの方法ではないでしょうか。また、普段からあまりLINEを見ないことを直接伝えておくのもいいと思います。
送る側になったときは『既読スルー』されていても、あまり気にしない、読んでくれたらそれでいいくらいの気持ちで送るといいでしょう。本当に早く伝えたい内容なら、電話することをおすすめします。そのほうが相手の反応もダイレクトに伝わってきますし、すぐに返事をもらえることも多いでしょう」
相手に好かれる!スマートな大人のLINE術3つ
次に、大人がLINEをスマートにトラブルなく使いこなすためのポイントとは? 上の「嫌われる使い方」を避けると同時に、この「好かれる使い方」もマスターしておきましょう!
■1:相手にタイミングとテンションを合わせた返信を
「相手とのコミュニケーションにおいて、タイミングとテンションを意識することがとても大切です。楽しい話やお誘いなどには、テンションの上がるスタンプなどを使って、うれしいことを表現してみては? もちろん深刻な話などには絵文字やスタンプは控えます。相手がそれを見たときにどう思うか…ということを意識して返信したいですね。
短文やスタンプなどを使って、会話のように活用できるLINEだからこそ、相手の気持ちに同意や共感をしてやり取りをしてほしいと思います。まずは相手の気持ちを受け入れて、その気持ちに寄り添って話をする、そばにいて実際に会話をしているように受け止めてあげると喜ばれると思います。リアルタイムに素早く返信できるツールだからこそ、実際に会っているのと変わらないコミュニケーションを取ることができれば、お互いHappyになります」と石川さん。
■2:話をスマートに終わらせるにはスタンプ利用を
「トーク中、どこでお終いにしようかと迷うこともあると思います。話がだらだらと続いてしまっているなと感じたときには『おやすみなさい』『また明日』『今日は付き合ってくれてありがとう』などを表現できるスタンプを送ると、スマートに終わることができると思います。スタンプは自分の個性を出すものです。敬語を使ったスタンプや、優しいタッチで誰からも好感を持ってもらえるスタンプもあるので、うまく使い分けましょう」
■3:大事な要件は「単独で送信」「キーワードを含める」などの配慮を
「待ち合わせの場所や時間など、注目してほしい大事な用件などを伝えたいときは、その用件の部分だけを別にして送信するといいです。長文の中にその用件がまぎれてしまうと後から確認するときに探しにくくなるためです。検索の機能で探しやすいキーワードを入れてあげるのもよいでしょう」
LINEはとても便利ではありますが、使い方によっては相手にネガティブな印象を与えてしまうこともあるかもしれません。その点、十分注意して、今回教えていただいたことをヒントに、自分の使い方を一度見直してみたいですね。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利