「風情」って何と読む?「ふうじょう」と読んでもいいの?
明日・6月26日は『露天風呂の日』という記念日です。
「6(ろ)・(てん)26(ぶろ)」の語呂合わせですね。
明日の休日、お近くの日帰り温泉にお出かけになってみてはいかがでしょうか?
本日は『露天風呂の日』にちなんで「天」「風」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「天板」ってなんと読む?
「オーブン(調理家電)の天板」の、「天板」の正しい読み方をお答えください。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 厳密に言うと、存在しません。
正解が存在しないとはどういう意味か、解説いたしましょう。
この出題、パンやお菓子・お料理レシピの文章に「オーブンの天板」という表現が大変よく登場することから「実は長年、悩んでいるけれど解決しない」という方が、以外に多いようです。
放送や動画など、声のレシピ説明では「てんぱん」「てんばん」という発音が半々くらいででしょう。
「てんぱん」「てんばん」、正解はどちらなの?と疑問に思っている方が、
「ちょっと調べたくらいでは解決しないどころか、ますます間違いを増やしそう」な、根深さをはらんだ日本語なのです。
さて、「オーブンの」という前置きはいったん忘れますと、
「天板」という日本語の読み方は、一般的には「天板(てんばん)です。
「天板(てんばん/てんいた)」という言葉の意味は「机や棚などの上板(うわいた)。てんいた。」または「建築現場の足場の板の部分。」を指します。そう、オーブンとは関係ない言葉なのです。
意味の上で「調理器具のオーブンの中にセットして使うアレ」を指す言葉は、辞書に「天パン」と掲載されています。「天火(てんぴ=オーブン)内で使用する平鍋(外来語で、もとは英語の「pan 」)」なのです。
「板」という字が「甲板(かんぱん)」など、「ぱん」とも読めるので混乱を招いたようですが、
まとめますと…
・「天板(てんばん/てんいた)」←オーブンとは、本来、関係ない言葉
・「天パン(てんパン)」←オーブン(天火)の中にセットして使う平鍋(pan)を意味する言葉
です。
別々の二つの言葉のイメージや読み方が混乱して誤用される例が増え、その誤用が定着しつつある状態かと思われます。疑問に思われていた方、解決したでしょうか?
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「風情」ってなんと読む?
「風情」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「風流・風雅のおもむきや味わい。」「身だしなみ。」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「大自然の中に露天風呂なんて、風情があるわね!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 風情(ふぜい/ふうじょう)です。
一般的には「ふぜい」と読むことがほとんどで、「ふうじょう」も不正解ではない…というニュアンスです。
後者はちょっと古い言い回しのイメージですので、昔の文献の文章を音読する際などに、あえて使用するような読み方です。
「ふぜい」と読んでおくのがごく一般的で無難です。
***
本日は、6月26日『露天風呂の日』のトリビアと、「天」「風」という字の入った日本語から、
・「天板」
という言葉にまつわる、混乱を招きやすい背景のお話と、
・風情(ふぜい/ふうじょう)
の読み方についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『放送研究と調査(2011年6月)』(株式会社NHK出版)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱