東京・六本木のランドマークである東京ミッドタウン内、大きな暖簾が目印の「とらや 東京ミッドタウン店」。和菓子にとどまらず、和の文化の価値を広く伝えたいという想いのもと、店内にはギャラリーが併設され、企画展や食にまつわる伝統的な道具を紹介・販売する「とらや市」が開催されています。
現在、400年の歴史を持つ「有田焼」の様式の歴史や、それを受け継ぐ現代の窯元を紹介する特別企画展「華麗なる有田 ラグジュアリーの歴史 そして現代展」が、2022年8月30日(火)まで開催されています。
とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー「華麗なる有田 ラグジュアリーの歴史 そして現代展」
「華麗なる有田 ラグジュアリーの歴史 そして現代展」は、佐賀県の「有田まちづくり公社」「天馬堂」の企画・運営協力のもと行われている企画展で、有田焼の伝統的な様式を紹介するとともに、それらを受け継ぎ現代のラグジュアリーを体現する名窯の作品が、とらやの菓子を交えたコーディネートで紹介されています。
歴史を語る上で欠かせない4つの有田焼の様式をパネル展示にて紹介
展示では、有田焼の歴史を語る上で欠かせない、4つの様式がパネルにて展示されています。
海外に輸出されてヨーロッパの王侯貴族に珍重された「柿右衛門様式」、元禄文化を彩った「古伊万里金襴手様式」、徳川将軍に献上された「鍋島様式」、明治時代に海外の博覧会で高く評価された「明治超絶技巧」の4つです。
こちらの写真はそのうちのひとつ「鍋島様式」。佐賀鍋島藩の御用窯で作られた焼き物で、元禄年間(1688~1704年)に最盛期を迎えた様式です。染付(そめつけ)の藍色で文様の輪郭を描いた器の上に、赤、黄、緑の3色で絵付けを行う技法で、シンプルながら美しく緻密な紋様を特徴としています。
伝統的な様式を受け継ぐ名窯の作品を展示
伝統的な様式を受け継いで現代に伝える名窯の作品も、実際にいくつか展示されています。
色鍋島の伝統技術を継承してきた名窯「今右衛門窯」、白磁の美しさと調和性を究極まで極めた「柿右衛門窯」、明治期にいち早く有田焼の新たな用途開発と輸出に乗り出し、業界を牽引してきた窯元「香蘭社」、古伊万里の製法をもとに伝統的な染付から最新のデザイン技術を用いた新たな器まで、多彩な器づくりを手掛ける「李荘窯」の4つの名窯です。
写真は展示品のひとつ、十四代今泉今右衛門「色絵吹墨墨はじき四季花文杯」。重要無形文化財「色絵磁器」の保持者の人間国宝でもある十四代今泉今右衛門氏による、洗練された器を心ゆくまでご鑑賞ください。
名窯が手がける器や、特別に作られたオリジナルボウルの販売も
名窯が手がける器の販売も行われています。
写真は「香蘭社」が2021年に立ち上げた新ブランド「by koransha」が手がけた商品です。現代のライフスタイルに寄り添い、日々の生活に楽しさと華やかさを与える暮らしのうつわのブランドとして、高い品質とデザインの「日常使いのうつわ」をコンセプトとした商品を展開しています。
さらに、世界的なトップシェフとの協働事業でも注目されている「李荘窯」が、今回のために特別に作った「オリジナルデザートボウル」も販売されます。氷をイメージして制作した器で、かき氷の器などにも好適です。
展示会期間中は、隣接の虎屋菓寮にて、佐賀県産のいちごを使った限定かき氷を、こちらのデザートボウルで楽しむことができますよ。
今回展示の企画・運営にともに携わった「天馬堂」からは、有田焼の絵柄をプリントした焼き物風のクッキー「白磁彩菓」も販売されます。ぜひご自宅に帰ってからも、焼き物の美しさや繊細さを思い出しながら召し上がってみてくださいね。
江戸時代から現代にいたるまで、ラグジュアリーな存在であり続けている「有田焼」。今も昔も人々を魅了し続けるその美しい有田焼の世界を、「とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー」にて存分にご堪能ください。
問い合わせ先
- とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー
- 会期/2022年8月30日(火)まで
- 時間/11:00~21:00 ※休日・開廊時間は「とらや 東京ミッドタウン店」に準ずる
- TEL:03-5413-3541
- 住所/東京都港区赤坂9-7-4 D-B117 東京ミッドタウン ガレリアB1F
- TEXT :
- Precious.jp編集部