「スマートフォンの買い替え動機には、スペックの充実はもちろんだが、デザインやサイズ感も重要だ」とか、「あの会社にハイスペックな人材が集まるのはなぜ!?」など、普段の会話でも聞くことがある「スペック」というワード。ビジネスシーンで正しく使う自信はありますか? 今回はさまざまなシーンで登場するこの「スペック」について、しっかり理解していきましょう。

【目次】

人は「スペック」だけで判断できるものではありません!
人は「スペック」だけで判断できるものではありません!

【「スペック」の正しい基礎知識】 

■「スペック」は何語?

まずは「スペック」というカタカナ語を確認しておきましょう。「スペック」は「スペシフィケーション[specification]」という英単語を略したもの。「スペシフィケーション」は、機械などの構造や性能を表示した仕様書や、仕様そのものを表す名詞です。

■「スペック」の意味は?

略してカタカナ語として使われている「スペック」ですが、「スペシフィケーション」と同じく「仕様書」や「性能」という意味になります。ただし、本家よりも対象は広く、ハードウエア、ソフトフエア、あるいは人間に対しても使うことがあります。


【ビジネスシーンでの「スペック」の「例文」6選】

実際にどんなシーンでどう使われるのか、例文を挙げてみましょう。

■1:「開発エンジンのスペックが、とんでもない高数値をたたき出した」

■2:「本品は基本スペックに加え、さまざまなオプションをご用意しております」

■3:「今年はハイスペックな入社希望者が多い」

■4:「高齢者向け製品は、低スペックのほうが使いやすい場合がある」

■5:「現時点で搭載できるすべての性能・仕様を完全装備した、フルスペックモデルが人気です」

■6:「2022年モデルのスペックを比較大調査!」


【「スペック」の「言い換え」は効果的に!】

■相手に伝わりやすい言い換えワード

上記の例文を見てみると、■1と2の「スペック」は「性能」に、■3は「能力」、■4~6は「仕様」という単語に置き換えることができます。ビジネスシーンでは、このような「言い換えワード」と「スペック」を織り交ぜた文章や会話で、間違えなく伝えることが重要です。

■ビジネス以外でも…

「性能」や「仕様書」を意味する「スペック」が転化して、企業や団体が求める人材の条件を「求人スペック」と呼ぶことも。「公認会計士」や「TOEIC何点」といった、資格や点数で表せる能力が高い人は「高スペック」「ハイスペック」な人材というわけです。かつては「高学歴・高収入・高身長」な人のことを俗に「三高(さんこう)」といいましたが、最近ではこのような人のことを「ハイスペック男子」や「ハイスペック女子」と呼ぶようです。

 

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精密機器を扱う業界のみならず、「性能」や「仕様」が気になるのも現代社会の特徴でしょうか。ビジネスシーンで「ハイスペック」が求められるのは仕方ありませんが、プライベートでは「ロースペック」に癒されたりもするものですよね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『現代用語の基礎知識』(自由国民社)/『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP文庫)/『あの新語もわかる カタカナ語 すぐに役立つ辞典』(河出書房新社) :