「フェーズが変わった」とか「フェーズがひとつ上がった」なんていうフレーズ、ニュースなどでもよく聞きますよね。仕事の現場でも用いられる「フェーズ」ですが、正しく意味を理解しているでしょうか。「それはちょっと違うのでは…」なんて恥ずかしい思いをしないように、「フェーズ」の意味から使い方まで、しっかり身に付けていきましょう!

【目次】

「フェーズアウト」ってどういうこと?
「フェーズアウト」ってどういうこと?

【「フェーズ」をサクッと解説します】

■元の意味は「段階」や「局面」です

まずは、ビジネスでも使用されるカタカナ語「フェーズ」の意味を理解しましょう。「フェーズ[phase]」は、「段階」や「局面」「様相」といった意味の英単語。「物事の移り変わりを整理するための区切り」を表します。語源は、三日月や満月など「月の満ち欠け」を表すギリシャ語です。

■ビジネスシーンでの「意味」

一般的なビジネスシーンでは、「進行中の仕事や作業の段階」を示すワード。プロジェクトを管理する立場の人が「第1フェーズは無事に達成できたので、次のフェーズに移ります」などと使います。「フェーズごとの明確な達成基準」を定めて管理することで、効率的に実行・完了できるようになると考えられています。

また、「第1フェーズ」「第2フェーズ」…「最終フェーズ」とカウントしていくことで「進行の度合いや段階」が明快になるので、長期にわたって多くの人が携わるプロジェクトでは、全体の意思統一に役立ち大変効果的です。

■コロナ禍でよく聞くように

「医療」の現場でもよく使われますが、新型コロナウイルスの感染拡大により「感染のフェーズが変わった」というようなフレーズも一般的になりました。これは、WHO(世界保健機関)がインフルエンザの流行度合いを「フェーズ1」「フェーズ2」などと定めていることに由来します。


【ビジネスでの一般的な「使い方」を例文でチェック!】

■1:「このフェーズをどうクリアするかが、本プロジェクトの成功に大きく影響する」

■2:「順調に進行しているので、予定より早く次のフェーズに入れそうです」

■3:「トラブルの原因は、フェーズが変わったことにありそうだ」

■4:「長期的なプロジェクト管理は、フェーズで区切ることが重要です」

■5:「次のフェーズでは人員が足りなくなりそうなので、事前に補充手配を申請しよう」


【「フェーズ」と「ステップ」「ステージ」は同じ?】 

「局面」や「段階」などの意味で使われる「フェーズ」ですが、似たワードの「ステップ」や「ステージ」との違いもチェックしておきましょう。

「物事の段階」を表すという意味では、「フェーズ」も「ステップ」も「ステージ」も同じです。あえて区別するなら、下記のようなシーンで使うのがよいでしょう。

■「フェーズ」=長期的な大きなプロジェクト
■「ステップ」=小規模なプロジェクト
■「ステージ」=ひとつの場面や期間

「ひとつのフェーズのなかに、いくつかのステップがある」という場合や、「いくつかのステージを経て、新たなフェーズに移行した」などと使うこともできます。


【「フェーズ」の「類語」「言い換え」表現】

■プロセス(手順) ■フロー(工程) ■チャプター(区切り) 
■グレード(等級) ■ターム(期間)

「ステップ」や「ステージ」以外の類語もおさえておきましょう。「フェーズ」を日本語で言い換えるなら「段階」や「局面」となりますが、状況によっては上記の( )内に言い換えることも可能です。


【知っておきたい「フェーズ」の「関連ワード」】

いくつか関連ワードも挙げておきましょう。

「フェーズイン」:段階的導入

「フェーズアウト」:段階的廃止

「フェーズダウン」:段階的削除

「パンデミックフェーズ」:WHOが定める、新型インフルエンザに対する警報の段階のこと。パンデミック(世界的大流行)に至るまでの経過を6段階に分類。

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最近では、「状況」を示す意味でも「フェーズ」が使用されることが多くなりました。「状況が変わったので目標が達成できませんでした」より、「フェーズが変わったので~」と報告するほうが、“時代の流れをよくつかんでいるふう”なのでしょうか。ひとつのプロジェクトや、ある目標に向かってひとつずつ「フェーズ」をクリアしていくことは、達成感も一体感も感じやすいもの。今回は、ビジネスでの「フェーズ」の設定は、大変有効な手段だということも学びました。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP文庫)/『そうだったのか! スゴ訳 あたらしいカタカナ語辞典』(高橋書店)/『知っているようで知らない ビジネス用語辞典』(水王舎)/  :