「明日の説明会のレジュメはできているかな?」「月曜までにレジュメを仕上げてください」など、あなたも仕事で「レジュメ」というワードに出合ったことはありませんか? 一般的なビジネスシーンだけでなく、講演や講義に説明会、さらには就職・転職活動でも使われるカタカナ語「レジュメ」を解説します。
【目次】
【「レジュメ」を使いこなすための基礎知識】
■カタカナ語「レジュメ」はフランス語から
まずは外来語である「レジュメ」の意味から確認していきましょう。「レジュメ」はフランス語で、「要約」や「概要」「適要」という意味。研究の報告や講演・演説などの内容を、わかりやすく簡潔にまとめて記したものを指します。「何かの略語?」と感じた人もいるかもしれませんが、略語ではありません。「レジメ」とも表記・発音します。
■ビジネスシーンではどう使う?
私たちの仕事の現場では、会議や打ち合わせ、制作発表会などの内容を手短にまとめた資料を「レジュメ」といいます。
プレゼンで資料に目を通してもらう時間がなかったり、資料が膨大になる場合は、冒頭に内容を簡潔にまとめたものを1~2枚つけるのはお約束ですが、それが「レジュメ」。テキストの大きさや色を工夫したり、図形やグラフを用いたりと、ひと目で要点を理解できるようにつくるのがポイントですが、頑張りすぎて「膨大なレジュメ」になってしまっては意味がありません。
■就職・転職活動での「レジュメ」は「履歴書」のこと!
就活シーンでの「レジュメ」は、「履歴書」や「職務経歴書」を指します。これは英語では「レジュメ[resume]」が「履歴書」という意味ももつことからきています。
そもそもアメリカの企業では、日本の就活で使われているフォーマット形式の履歴書ではなく、プロフィールや職歴などを1~2枚にまとめた応募書類「レジュメ」を提出します。ここから、日本の外資系企業でも履歴書と職務経歴書をあわせた応募書類を「レジュメ」と呼ぶようになったようです。
【ビジネスシーンでの「レジュメ」例文】
「レジュメ」というカタカナ語をどのように使うのか、例文を見てみましょう。
■1:「新商品発表会で配布する資料のレジュメは、最大2枚におさえておこう」
■2:「〇〇さんがつくるレジュメは、読みやすくて的を射ている」
■3:「レジュメを簡単にいうと“まとめメモ”になります」
■4:「〇〇教授の話は長いので、誰かレジュメをつくってくれないか」
■5:「就職や転職を成功させるための自己アピールとして、レジュメはとても重要だ」
■5のみ、「履歴書」という意味での「レジュメ」ですね。
【「レジュメ」「サマリー」「アジェンダ」の違い】
「レジュメ」とよく似た使われ方をするカタカナ語に、「サマリー」と「アジェンダ」があります。より的確な使い方をする訓練として、下記を参考にアナタの仕事での使用シーンを想定してみましょう。
■レジュメ
意味:内容を簡素化したもの。箇条書きや図形を使用するなど、瞬時に理解できるよう視覚的な工夫も
例文:「このレジュメがあれば一目瞭然だ」
言い換え:要覧、要旨
■サマリー
意味:論文や会議内容などの要点を文章でまとめたもの
例文:「クライアントの意向をサマリーにして共有しよう」
言い換え:概論、大筋、総括
■アジェンダ
意味:検討課題や議事日程などをまとめたもの
例文:「無事にアジェンダ通りに会議を終えることができた」
言い換え:議題、論題、日程
【似ているけれど違う「レジュメ」関連ワード】
調べてみると、「要約」や「概要」という意味で使われるワードは多いもの。ビジネスシーンでも出てきそうなものをご紹介します。
・ブリーフィング:状況説明、簡潔な報告、要点の説明、手短な指示。口頭で行われる
・次第:物事が行われる際の一定の順序。「式次第」などと使う。「レジュメ」より「アジェンダ」に近い
・ダイジェスト:「要約する」という意味では似ているが、書物などの内容を「短く書き直したもの」を指す
・シノプシス:映画や演劇などの「あらすじ」のこと
***
今回解説した「レジュメ」は、さまざまなビジネスシーンで使われているカタカナ語でした。資料を簡潔にまとめた「レジュメ」も、転職のための「レジュメ」も、その出来具合いにビジネスパーソンとしての素質や能力が表れるものですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『現代用語の基礎知識』(自由国民社)/『現代ビジネス用語事典』(日本文芸社)/『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP文庫)/『知っているようで知らない ビジネス用語辞典』(水王舎) :