「立待月」ってなんと読む?「りったいげつ」ではありませんよ!
明日・9月10日は、令和4年の「仲秋の名月」「十五夜(じゅうごや)」です。お月見をすることでお馴染みの日ですね。陰暦では、月の満ち欠けの約半分にあたる15日が満月であると考えられており、陰暦8月15日の夜に出る月は特に美しい、と考えられ「仲秋の名月」と呼ばれるように。以前、本シリーズで、「十五夜」の前夜・「十四夜」を、翌日の美しい月を楽しみに待っている夜=「待宵(まつよい)」と呼ぶことなどをご紹介しました。
(参考記事「猶予う」てなんと読む?「ゆうよう」ではないですよ!なかなか進めないことです!』)
「十五夜」のほかにも、月にちなんださまざまな呼び名があるのです。どんなものかというと…
【問題1】「立待月」ってなんと読む?
「立待月」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「十七夜」の月を表現した言葉です。
<使用例>
「今年の立待月は、19時8分に出るらしいわよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 立待月(たちまちづき) です。
「十五夜」のあとは、月の出の時刻が、少しずつ遅くなっていくので、昔の人々は、「十五夜以降は、お月見をしたいと思っても、月の出をだんだんと待たされるようになる」という感覚があったのでしょう。「十七夜」にあたる「立待月(たちまちづき)」には、「月の出るのを、いまかいまか、と立って待つ。」という意味が込められているのだとか。昔の人々が、いかに美しい月を愛でていたかが伝わってくる言葉ですね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「臥待月」ってなんと読む?
「居待月」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「十九夜」の月を表現した言葉です。
<使用例>
「今年の臥待月の月の出は、20時4分。…昔の人の感覚だと、もう寝る時間なのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 臥待月(ふしまちづき) です。
「臥待月(ふしまちづき)」は、「もう寝床に入って、月を待つ」という意味です。今年の「十九夜」の月の出は20時4分ですが、現代のように電灯やネオンのなかった時代には、「もう寝る時間」だったのですね。「十九夜」は「臥待月(ふしまちづき)」のほか「寝待月(ねまちづき)」とも呼ばれます。
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本日は、9月10日、平成4年の「仲秋の名月」の日にちなんで、「月」に関連した日本語から、
・立待月(たちまちづき)
・臥待月(ふしまちづき)
などの読み方や、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:国立天文台ウェブサイト/『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/『私の根っこプロジェクト 日々是活き活き 暮らし歳時記』(株式会社豊珠興産)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱