滝汗 & ホットフラッシュだけじゃない。何が出るかわからない更年期の症状はまるで“ガチャ”!
更年期の症状は、実にさまざま。しかも、何が出るかわからない。それは、まるで〝更年期ガチャ〟ともいえるもの。個性爆発 & 予測不能のトラブル模様。ここに挙げた20項目はそのほんの一部。
さぁ、アナタはいくつ当てはまりますか?
●手や指の関節が痛い|肩こりや腰痛がツライ|骨密度の低下…関節痛は、加齢による軟骨のすり減りや筋肉の衰えが主な原因です。女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、骨密度が低下し骨がもろくなると同時に、関節の動きをなめらかにする滑液に多く含まれるコラーゲンが産生されにくくなり、関節トラブルが増えます。
●寝つきが悪い、夜中に目が覚める|疲れがとれない…女性ホルモン(エストロゲン)と、心の安定に関わる物質セロトニンは連動しています。更年期特有のほてりや異常発汗が夜中に起こりやすいことや、メンタル面で不安感が強くなることも不眠の一因に。不眠が続くと疲れがとれないため、倦怠感などの不調にもつながります。
●吐き気がするほどの頭痛…更年期に起こりがちな、頭痛、吐き気、倦怠感、なども多くは自律神経の乱れに原因があります。
●トイレが近くなった|尿もれが気になる…尿もれは、加齢や出産経験などの影響で、膀胱や尿道を支えている骨盤底筋がゆるむことで起こります。さらに、女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、骨盤底筋がさらにゆるんで、尿もれしやすくなります。また、更年期の女性には過活動膀胱といって、頻尿になりやすい傾向もあります。
●急に大量に汗をかく|急に暑く感じる|手や足が冷える…女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を卵巣に命じるのは脳の視床下部。脳の視床下部は、自律神経のコントロールも担っています。視床下部がエストロゲンを分泌させようと頑張っても卵巣が応えないとき、視床下部は混乱し自律神経のコントロールにも影響が及びます。自律神経は血管を収縮・拡張させて体温を調節しています。しかし、混乱すると、暑くもないのに血管を太くして汗をかかせてしまったり、逆に、血管を狭めすぎて冷えをひどくしてしまったりするのです。
●肌がものすごく乾燥する|薄毛|口の乾きがひどい・口臭が気になる…女性ホルモン(エストロゲン)には、肌に水分を蓄え、血行を促し、コラーゲンを維持する効果もあります。みずみずしくハリのある肌は女性ホルモンのおかげなのです。エストロゲンが激減すると、顔だけでなく目や口内など全身が乾燥し、頭皮の血行も悪くなり、薄毛にもなりやすくなります。
●めまいがする|耳鳴りがする…更年期のめまいは、女性ホルモン(エストロゲン)の減少からくる自律神経の乱れによって、脳の血流が悪くなることで起こります。ただし、更年期が原因ではない「メニエール病」や「突発性難聴」の可能性も考えられますので、気になる人は耳鼻科を受診しましょう。
●気分が落ち込む|涙もろくなった|イライラする|“うつ”かなと感じるときがある…女性ホルモン(エストロゲン)が十分に分泌されていると、心身をリラックスさせる副交感神経が優位になりやすい状態に。これとまったく逆の状態として、エストロゲンが激減すると、メンタル面が不安定になりやすくなります。
更年期の症状は十人十色、個人差が大きいのです|産婦人科医・高尾美穂先生
更年期に現れる症状は、実にさまざま。代表的なのは、肩こりや腰痛、イライラやうつ状態、ホットフラッシュや冷えなどですが、それだけではありません、ありとあらゆる症状が現れるのです。しかも、個人差が非常に大きい。
なぜ個人差が大きいかというと、更年期には身体的な変化だけでなく、環境の変化も受けやすいからです。女性の40代は人生の成熟期。これまで全力で走ってきた人も、折り返し地点。仕事でも家庭でも、大きな変化に直面します。順調にキャリアを積み上げてきた人も、体力が衰えて頑張りがきかなくなったり、転職や配置転換を余儀なくされたりすることも。家庭でも子供が成長し自立して、夫婦ふたりだけの生活に戻ったり、年老いた親の面倒を見ることになったり。こうした人生の転換点と更年期が重なっていることも、不調の深刻度を大きく左右します。
さらには、個人のパーソナリティも影響します。私がたくさんの女性と接して感じているのは、子供のため親のためと頑張りすぎている人が多いこと。自分以外の人の役に立ちたいと強く願う自己犠牲型の人は更年期症状が強くなりがちです。
更年期は今までの人生を振り返り、体のことはもちろん、生き方そのものを見直す棚卸の時期。じっくりと自分の体と心に向き合いケアしていきましょう。
- ILLUSTRATION :
- ミヤギユカリ
- EDIT&WRITING :
- 木更容子、佐藤友貴絵(Precious)