【目次】

【「了承いただく」とは何?意味と誤解されがちなポイント

■「了承」の読み方

「りょうしょう」です。

■「了承」と「了解」「承諾」との違い

敬語やビジネスメールでよく見かける「了承」「了解」「承諾」という言葉。似たように思えるこの3語ですが、実はニュアンスや使いどころに明確な違いがあります。相手との関係性や文脈に応じて使い分けることで、より適切で印象の良いコミュニケーションが可能になります。

■ 「了承」とは

「了承」は、事情や背景を理解したうえで受け入れるという意味をもつ表現です。たとえば、スケジュール変更や内容の一部修正など、相手に迷惑や変更をお願いする際に、「ご迷惑をおかけしますが、ご了承いただけますと幸いです」といった形で使われます。

この言葉には「配慮したうえで納得してもらう」というニュアンスが含まれるため、ある程度の「申し訳なさ」や「了承を得る必要性」がある場面で用いるのが適切です。

■ 「了解」とは

「了解」はもっとシンプルに、「わかった」という意味をもつ言葉です。日常会話では頻繁に使われますが、目上の人に使うと失礼にあたる場合があります。

たとえば、上司からの指示に「了解です」と返すのはカジュアルすぎる印象を与えるため、「承知しました」「かしこまりました」など、より丁寧な表現に置き換えるのがベターです。

■ 「承諾」とは

「承諾」は、3つの中でも最も強く明確な意味をもち、」申し出や提案を正式に受け入れる」ことを指します。契約や同意書、フォーマルな合意など、法律的・業務的な確定を伴う場面でよく使われます。

たとえば、「本契約にご承諾いただきありがとうございます」といった使い方がされます。相手に責任ある立場での意思表示を求める際に用いられるため、軽々しく使う言葉ではありません。

【3つの違いまとめ】

用語 意味 適した場面
了承 背景を理解したうえで受け入れる スケジュール変更・調整の依頼時
了解 単純に「わかった」という意思表示 カジュアルな同意・日常会話
承諾 正式な同意(責任を伴う) 契約・申込・重要事項の合意

■「了承いただく」とは?

「理解してそれを受け入れてもらう」ということ。「(して)もらう」の謙譲語である「(して)いただく」を用いているので、「ご了承いただく」とは、提案などを相手に承知してもらう、あるいは承知してくれたことを表します。


【「目上の人」にも使える正しい「敬語表現」】

■絶対NGな言い回し一覧

相手との関係性を無視して使ってしまうと、意図せず失礼になる表現があります。以下のようなフレーズは注意が必要です。

「了承してください」

 一見ていねいに見えますが、「〜してください」という命令形にあたるため、目上の人には不適切です。相手に指示・命令しているような印象を与えてしまいます。

「了承いただく」

 文法的には謙譲語にあたりますが、「了承」という言葉自体に“受け入れてもらって当然”というニュアンスがあるため、目上の人に使うと“強制感”を与えることも。

 特に、「了承いただきますようお願い申し上げます」は、丁寧に見えて押しつけがましい印象になる場合があります。

→ ポイント:目上には「確認・承認」や「ご了承」のような柔らかい敬語表現に言い換えるのがベターです。

■ 目上に使える「スマート敬語フレーズ」

以下のような表現は、柔らかさと丁寧さを兼ね備えており、上司や取引先など目上の相手にも安心して使える敬語です。

「ご了承いただけますでしょうか」

 最もオーソドックスで礼儀正しい言い回し。依頼や報告の場面で多用されます。

「ご了承いただけますと幸いです」

 相手に選択肢を残しつつ、へりくだった表現が含まれているため、押しつけ感がありません。

「ご確認・ご承認をお願い申し上げます」

 承認や確認が必要な場面では、このようなフレーズが最適。ややフォーマルな印象を与えるため、公式文書や契約文にも向いています。

例:

「ご多用のところ恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。」

「下記の内容について、ご承認賜れますようお願い申し上げます。」

■取引先やクライアント向けに変える表現

クライアントや社外の相手に対しては、さらに丁寧で柔軟な表現が求められます。状況に応じて言い換えることで、相手に与える印象が格段によくなります。

「ご容認いただけますよう」

 何らかの事情で相手に不利益や妥協をお願いする際に適している表現です。たとえば、納期変更や仕様調整の場面など。

「ご承諾いただけましたら幸いです」

 提案内容や契約に関する正式な同意を求める場合に使用します。ビジネス文書でよく使われる丁寧かつ誠実な表現です。

「ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます」

 柔らかく判断を委ねる表現で、営業文や提案メールに最適です。

応用例:

「ご提案内容について、ご容認いただけますようお願い申し上げます。」

「納期変更に関して、ご承諾を賜れますようお願い申し上げます。」

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さまざまなシーンで使用される「了承いただく」というフレーズ。ビジネスで、あるいは目上の人になど、状況や相手に応じて言い換えも用い、スムースなコミュニケーションを図りましょう。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『敬語マニュアル』南雲社 :