【目次】

【「ご協力のもと」とは?意味&語の構造を徹底解説】

■「ご協力のもと」の構造

「ご協力のもと」の意味をしっかり理解するために、まずはその構造から検証していきましょう。「ご協力のもと」は「ご・協力・の・もと」と分けられます。「行為の主体を立てる(尊敬)接頭語+名詞+格助詞+名詞」という構成です。

「協力」は「力を合わせて“こと”にあたること」「心を合わせて働くこと」という意味の言葉。ひとつの目的のために、ふたり以上の人、あるいはふたつ以上の組織が力を合わせるときに使われます。そしてこの場合の「もと」は「その規則や支配力の及ぶところ」という意味で使われていて、漢字で表すと「下」。「下」という漢字は、相対的な「上下」を表すため、「協力のもと」には「協力してくれる相手」を上に見るニュアンスが加わります。

■「ご協力のもと」の意味

「ご協力のもと」は「誰かからの協力を得て」「ご協力をいただいて」といった意味合いのフレーズで、相手に対する敬意や協力への感謝を表現する際によく用いられるフレーズです。ビジネスでは、イベントやプロジェクトの推進など、何か共通の目標を掲げ、協力を得ながら事にあたるシーンが連想できます。

次にあげる例文で、「ご協力のもと」の使い方をさらに理解しましょう。


【ビジネスで使える正しい「ご協力のもと」の使い方】

「ご協力のもと」は、相手の協力によってすでに何かを実施したとき、あるいはこれから何らかの協力を必要とするときに使われる言葉です。周囲からの協力によって得られた「成果」について語る場合、「ご協力のもと」は「協力のおかげで」という感謝のニュアンスが強まります。

■相手の協力によって、すでに何かを実施したとき

・「皆さまのご協力のもと、世界各地の難民、避難民への援助活動を展開してきました。ここにその成果をご報告いたします」

・「たくさんの方々のご協力のもと、本公演は無事に終了いたしました。誠にありがとうございました」

・「皆さまのご協力のもと、今年も創立記念イベントを滞りなく終えられました。来年もよろしくお願いいたします」

■今後、なんらかの協力を必要とするとき

・「今後は株式会社○○からのご協力のもと、新規分野での事業拡大を目指していく所存です」

「行き届かない点もあるかと存じますが、皆様のご協力のもと、精一杯務めてまいります」


【「類語」「言い換え」表現で印象をワンランク上に】

「ご協力」には、「ご尽力」、「お力添え」、「ご援助」、「ご支援」といった言い換え表現があります。一方、「〜のもと」の言い換え表現もいくつかあります。ビジネスシーンで使いやすいものとして「〜のおかげで」、「〜を得て」、「〜していただき」、「〜を賜り」などがあげられます。このふたつの組み合わせを考えると、言い換えのバリエーションが広がりますね。

■「ご尽力」を使うなら…

■ご尽力のおかげで ■ご尽力を得て ■ご尽力賜り

■「お力添え」を使うなら…

■お力添えのおかげで ■お力添えを得て ■お力添えいただき

■「ご支援」を使うなら…

■ご支援のおかげで ■ご支援いただき ■ご支援を賜り


【よくある誤用&注意点】

ご協力のもとの「もと」を漢字にすると…「下」

ご協力のもとの「もと」の正しい漢字は「下」です。「元」や「基」と間違えないように注意しましょう。それぞれの漢字の意味は以下の通りです。

・「元」は「物事のはじまり」を表す

「元」は「事件の元を探る」「うわさの元を正す」というように使われ、熟語には「復元」「湯元」「家元」などがあります。「使ったら、必ず元の場所に戻してくださいね!」と覚えておくと間違えませんね。

・「基」は「物事の土台や基礎」を意味する

「基」は「物事の土台や基礎、根本、根拠」「原因」を表す言葉です。ビジネスシーンでは「既存のビジネスを基に新規事業を考案する」といった使い方をされます。

・「下」は「その力の及ぶところ」という意味

前述の通り、「下」は「その規則や支配力の及ぶところ」という意味で、「厳しい規律の下で生活する」「監視の下におかれる」などと使われます。

■上司や取引先など、目上の方に対して使う

「ご協力のもと」は相手に対する敬意や感謝のニュアンスを帯びた言葉です。同僚、ましてや後輩に対して使うのは不適切。場合によっては嫌味な印象を与えてしまうかもしれません。

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「ご協力のもとに」の漢字表記は「ご協力の下」ですが、「下」はひらがなで表記されることがほとんどです。「協力」をあおぐ相手への敬意と感謝の気持ちを忘れずに、円滑なコミュニケーションを目指しましょう。「大人の語彙力」はそのための適切なツールなのです。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) :