目次
六番町の場所は?「最寄り駅」と「地図」
六番町の「最寄り駅」
千代田区六番町は、東部は千代田区四番町に、南東部は千代田区二番町に、北部は五番町に接しており、最寄り駅はJR中央本線、東京メトロ丸ノ内線・南北線が通る四ツ谷駅です。四ツ谷駅麹町口付近には、江戸城外郭門26門のひとつ、四谷御門の石垣が残されていて歴史を感じることができる場所です。この場所は、江戸時代から交通の要。甲州街道沿いにあって、町人や物資が行き交う門として賑わっていました。今でこそ新宿区から六番町までを結ぶまっすぐな道ですが、江戸時代には防衛上の配慮によってコの字型をしていたのだとか。
六番町の西側はJR中央線の線路と接していて、ここを境に反対側は新宿区となります。駅から小道を入ったところにある六番町は落ち着いた雰囲気で、学校や高級マンション、オフィスビルがあります。
六番町の「地図」
六番町の「歴史」と「由来」
六番町の「歴史」
番町地区は江戸時代の「旗本屋敷街」の町割を今でもはっきりと読み取ることができるエリアです。江戸時代、番町界隈の敷地は、300から900坪ほどの規模で区画されていて、長屋門、住居、そして庭で構成されていました。
写真の番町絵図右下に、「四谷御門」の文字が見えます。その左上にある大きな土地には、 尾張藩付家老(おわりはんつけがろう)成瀬隼人正(なるせはやとのかみ)の上屋敷がありました。家康の側近隣、付家老として初代尾張藩主徳川義直に仕え、将軍徳川秀忠から犬山城を拝領した人物です。四ツ谷駅寄りにある現在の「番町文化人通り」の一角は、「成瀬横丁」と呼ばれていました。その左下には、「定火消御役屋敷」の文字。 消防の役割を担う定火消(じょうびけし)の役屋敷(やくやしき)がありました。 その後は、上野小幡(こうずけおばた)藩上屋敷となります。そしてここは現在、千代田区立番町小学校のある場所です。
六番町の「由来」
番町という地名は、江戸城に入った徳川家康が城の西側の守りを固めるために、この辺りに「大番組」と呼ばれる旗本たちを住まわせたことによります。彼らの居住地は、いざとなったら甲州街道へ抜ける道の安全を確保するための軍事的要塞拠点とされ、一番組から六番組まで、6つに区分されていました。そして、一番組が住むエリアが一番町、二番組が住むエリアが二番町…という具合で呼ばれていたのです。明治以降は、下六番町という町名になり、昭和13(1938)年から現在の六番町になりました。
六番町の「魅力」
■1: ふたつの名門校がある文教地区である
六番町内には、全国屈指の名門校といわれている雙葉学園の雙葉小学校、そして区立番町小学校があります。雙葉学園は、明治43年(1910年)にこの場所に移転したカトリックの私立学校で、幼稚園、そして、「女子御三家」として有名な完全一貫教育の中学校・高校が同じ敷地にあります。
一方、千代田区番町小学校は、 明治3年(1870年)に東京府が仮小学校として設立した6校のうちの1校。現在地に移転してきたのは明治5年のことです。 開校当初から男女共学。生徒は官僚や軍人の子弟が多かったそう。卒業生には政官財界などで活躍した人、学者や作家などの著名人も多く輩出しています。番町小学校から麹町中学、日比谷高校、そして東京大学という進路は「公立のエリートコース」と称されることも少なくありません。
■2: 文化人からこよなく愛された街である
番町内には、「番町文化人通り」という通りがあります。麹町大通りに面した麹町六丁目の先から、大妻通りに抜ける一番町の先までの東西の通りです。多くの文化人が住んでいたことから、この名がついています。旧居跡には上の写真のような案内プレートがあり、散歩コースとしても最適。
旗本屋敷が多かった番町は明治になると土地が細分化され、武家屋敷も減りました。そして、大正から昭和にかけて、六番町にはたくさんの文学者や画家、陶芸家、歌舞伎俳優が住むようになりました。例えば『破戒』『夜明け前』で有名な島崎藤村、『婦系図』『天守物語』の泉鏡花、アララギ派の歌人島木赤彦、『或る女』の有島武郎、文芸雑誌「三田文学」で活躍した水上瀧太郎、『父帰る』の菊池寛、『多情仏心」の里見弴、歌舞伎俳優では、初世の中村吉右衛門や市川猿翁、三世の市川猿之助などなど…枚挙にいとまがありません。
■3: どこに行くにもアクセスが抜群に良い
四ツ谷駅は、新宿までは電車で片道6分、渋谷駅までは15分、東京駅までは9分の距離で電車移動も便利。東京の真ん中に位置しているので、どこに行くにもアクセス抜群なのが魅力です。東京メトロ有楽町線や南北線、都営新宿線が利用できる市ヶ谷駅までも徒歩10分で行くことができます。
千代田区六番町は文化人がたくさん住んでいて、その旧居跡を辿りながらお散歩をするのにも楽しい街。多くの文人たちが暮らした歴史のある街に刺激を受けながら、アクセスも抜群に良い東京の真ん中で優雅な生活を営むのも魅力的。学校も多く、子供たちの明るい声が響き渡り、都心にありながら落ち着いた雰囲気も味わえるでしょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- AC,柳堀栄子
- WRITING :
- 柳堀栄子