【目次】

プレミアムフライデーって何?意味・由来をわかりやすく解説

■意味

毎月最終金曜日に仕事を早く切り上げる呼びかけが「プレミアムフライデー」です。経済産業省や日本経済団体連合会などで組織された「プレミアムフライデー推進協議会」が主導し、2017年2月に始まりました。「プレ金」と略して呼ばれることも。

■目的

「働き方改革」という考え方をベースに、個人消費の活性・拡大が目的です。

■由来

「働き方改革~1億総活躍社会の実現に向けて」というフレーズを覚えている人もいるでしょう。

個々の事情に応じて多様で柔軟な働き方ができるようにと、厚生労働省が「働き方改革」としてガイドライン案を策定したのが2016年12月。共働き家庭が当たり前になって久しく、高齢化社会や少子化といった問題とも相まり、「がむしゃらに働くことで必ずしも幸せが得られるわけではない」「幸せは社会生活の充実にだけあるわけではない」といった機運もじわじわ高まっていた、そんな時代感覚がプレミアムフライデー推進の背景にありました。

■具体例

プレミアムフライデーの活用法として、当時の経済産業省が例に挙げていたのは下記のようなことです。

・ちょっと長めの休日で「2.5泊旅行」

・平日(金曜)の午後早めからの「ゆったりショッピング」や「アフター3エンタメ」「アフタヌーン街歩き」

・早い時間からの「夕飲み」や「アーリーディナー」「午後パー(パーティ)」

「2.5泊旅行」とは、金曜の夕方や夜に目的地に入り、土日をフル活用して楽しむ旅行のことですね。


【「華金」と「プレミアムフライデー」はどう違う?】

■懐かしの「花金」

「プレミアムフライデー」という言葉が登場する以前は、「花金」や「華金」というワードが使われていました。

民間企業に週休2日制が定着しだした1980年代半ば、昭和の終わりに登場した造語が「花金」です。会社員が土曜・日曜の休日を控え、「金曜日は、仕事帰りに心置きなく夜遊びができる!」という意味で「今日は花金だから飲みに行こう」とか「次の花金どうする?」などと使われましたね。

1988年には「花金」ではなく「花木(はなもく)」という言葉が『ユーキャン新語・流行語大賞』を受賞。当時は金曜日に休暇をとって3連休とし、旅行やスキーなどのレジャーに出かけたりするケースも多かったため、「仕事帰りの夜が遊ぶのは木曜日が最適!」ということでした。

いずれにしても、中小企業のサラリーマンや、新卒OL(オフィスレディの略、これも死語ですね)でさえイケイケな時代だった、1980年代後半から1990年代初頭までの“日本社会のバブル経済期”での流行語です。

■「華金」は…

1990年代初頭にバブル景気が崩壊すると、金曜日に豪遊できる会社員が減少し、平成時代には「花金」が次第に使われなくなり、代わって「華金」という表現が広まっていきました。

両者の意味は基本的に同じですが、「華金」にはより“特別感”や“煌びやかさ”、“自分時間を楽しむ”といったニュアンスが込められており、漢字表記に華やかさを求めた平成らしさがうかがえます。

また、状況や目的によって「花金」と「華金」を使い分けるケースもあります。たとえば、習い事や趣味、カジュアルな食事・自宅での飲み会など、リラックスした過ごし方には「花金」。一方で、高級レストランやホテルでのパーティーなどラグジュアリーな予定には「華金」をあてることも。

昭和の「花金」は飲んで騒ぐイメージが強く、平成の「華金」は“自分へのご褒美”や“充実した時間”といった自己実現の象徴として捉える人も増えました。

■「花金」「華金」と「プレミアムフライデー」の違い

「花金」や「華金」は、毎週金曜日の仕事終わりを自由に楽しむための俗称であり、週末の高揚感や開放感を象徴する言葉でした。一方で、「プレミアムフライデー」は“月末の金曜日”に限定された取り組みであり、日常の習慣ではなく、政府と経済界が連携して推奨した公式なキャンペーンという点に大きな違いがあります。

さらに、「花金」「華金」はあくまで自発的な楽しみの文化として自然発生的に広まったものですが、「プレミアムフライデー」は経済産業省を中心に構成された官民の推進協議会が主導し、個人消費の喚起と働き方改革の一環として導入された政策的な活動です。

結果的に「華金」のような自然発生型の言葉のほうが生活に根付きやすく、「プレミアムフライデー」は制度疲労や現実とのギャップにより定着しづらかった、という構造的背景も見えてきます。

つまり、週ごとの習慣 vs 月末の制度、個人発信のカルチャー vs 官民主導の社会キャンペーン——という点が、本質的な違いといえるでしょう。


【なぜ広がらなかった?プレミアムフライデーの課題と現状】

■プレミアムフライデーが広がらなかったわけ

2017年2月から推奨されていたプレミアムフライデーですが、いつの間にか耳にすることも少なくなったような…。一部の大手企業では「プレミアムフライデーは15時退社を推奨」という対応が見られましたが、話題性の大きさに比べ、実際の使用率は3%未満と非常に低く、とくに一般企業への浸透は限定的でした。

その主な要因は、多くの職場で業務量の軽減が伴わなかったことが挙げられます。月末は多くの業界・職種にとって繁忙期にあたり、仕事が終わらないまま退社時間だけを早めるのは非現実的でした。実質業務量が減らなければ、プレミアムフライデーのツケがほかの日にまわるだけ。「より忙しい日ができてしまう」「一斉実施でなければプレ金は取りにくい」など、実質的な壁と心理的な壁が立ちはだかりました。サービス業や飲食業など、プレミアムフライデーによってさらに忙しくなった業種もあります。

また、「自由時間が増えることで消費が拡大する」と経済的効果を期待してのプレミアムフライデーでしたが、賃金が増えないなかでの支出増加には不安や懸念が起こり、「時間が生まれても、お金は使わない」という傾向が顕著でした。結果として、「可処分時間の増加=消費拡大」という図式は成立しませんでした。

■コロナ禍も一因

加えて、2019年末からの新型コロナウイルスが流行。日本にも2020年春に緊急事態宣言が発令され、生活が一変しました。この非常事態によって、より豊かな人生のための「働き方改革」ではなく、生き抜くための「働き方改革」をせざるを得ない状況に。業務の簡素化やテレワークも普及し、労働者も雇用主も意識改革が進みました。

また、官民連携の「プレミアムフライデー推進協議会」のサイトを通じて行われていた情報発信ですが、このサイトは2023年6月ごろに閉鎖されました。これにより、制度の存在自体が徐々に忘れられ、認知・関心の低下がそのまま“自然消滅”につながったともいえるでしょう。

■「シャイニングマンデー」という新たな発想も

「月末の金曜日は多忙な業種が多く、制度として機能しにくい」との声を受けて、経済産業省は別の曜日への変更も視野に入れました。その一案として、月曜日の午前休を「シャイニングマンデー」と名付け、柔軟な働き方を促進するアイデアが検討されたこともあります。

しかしながら、この名称や取り組みが広く認知されることはなく、「シャイニングマンデー」という言葉を日常的に使っている人はごく限られているのが現状です。


【現代の“特別な金曜日”の楽しみ方とは?SNSで広がる過ごし方トレンド】

2025年から2026年にかけ、SNSで話題になっている「特別な金曜日」の過ごし方をご紹介しましょう。

■自分を甘やかす

今週も頑張った自分へのご褒美として、以前はスポーツジムやエステ、マッサージ、ヘアサロンにまつパーやまつ毛エクステ、ネイルサロン…など、美容や健康のために時間とお金を使っていた人も、いまは「自宅でゆったり」へシフト傾向に。「ゆったり」とは聞こえがいいですが、実際には「だらだら過ごす」時間を指すことも少なくありません。とはいえ「自分磨き」より「自分を甘やかす」ことのほうが快感…という意見に賛成する人も多いのでは? 例えば…。

・“推し”が出演している作品を見たり、“推し”のライブ映像を繰り返し見たりする。

・連続ドラマやリアルバラエティなどを一気見する。

・他人の「金曜のナイトルーティーン」などの動画を見る。

・寝落ちするまでゲームをしたり、本や漫画を読む。

■充実した土日のための助走

逆に、充実した週末を送るための助走時間と捉える人も。金曜夜にスマホやSNSと距離を置く「デジタルデトックス」を実行し、他者と比較しない自分のための時間の準備を整えるのも一案です。

■セルフメンテナンスにあてる

2025年は「自分メンテ」というワードも話題になりました。そのひとひとつ、「スリープマキシング(Sleepmaxxing)」とは、SNS(特にTikTok)を中心に話題となった「睡眠の最適化」を表すライフスタイル・トレンドです。睡眠の質が話題になって久しいですが、疲れが溜まっている金曜の夜だからこそ、瞑想や軽いストレッチ、正しい入浴などを行い、上質な睡眠を得ようというものです。

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昭和の「花金」、平成の「華金」、令和の「プレミアムフライデー」――それぞれの“金曜日”には、その時代の価値観や働き方が映し出されています。制度としての「プレ金」は定着しなかったかもしれませんが、「自分にとって豊かな金曜とは?」と問い直すきっかけになったことは間違いありません。画一的ではない、自分らしい“特別な金曜日”を見つけること。それこそが、多様性と自由を大切にする現代らしい“プレミアム”なのかもしれません。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本現代用語の基礎知識』(自由国民社)/『デジタル大辞泉』(小学館)/経済  産業省( https://www.meti.go.jp/index.html ) :