「物腰が柔らかい」は、穏やかで人当たりがソフトな人を形容する言葉です。ただし、「物腰が柔らかい」からといって、気が弱い人とは限りません。むしろ「物腰の柔らかさ」を常にキープするには、芯の強さが不可欠。「物腰が柔らかい」の正確な意味とその魅力の理由を解き明かしましょう!
【目次】
【「物腰が柔らかい」を深く知るための「基礎知識」】
■「読み方」
「物腰が柔らかい」は「ものごしがやわらかい」と読みます。
■「意味」は?
「物腰」とは「人に接するときの、言葉遣いや身のこなし」のこと。『日本国語大辞典』には「話しぶりや言葉つき。またその音声」「身のこなし。ふるまい。態度」と記載されています。話しているときはもちろん、特に会話はなくても、なんらかのやり取りを通してその人から受ける印象そのもの、といえそうです。「柔らかい」は「ふっくらとして堅くない」といった意味のほか、「しなやかである」「穏やかである」「柔和である」と「融通がきく」といった意味をもちます。つまり「物腰が柔らかい」とは、「人と接するときの言葉遣いや声のトーン、仕草など、すべてが穏やかな様子」のことですね。
【「物腰が柔らかい」人への理解を深める「例文」6選】
■1:「○○さんは物腰が柔らかいためか話しやすく、誰からも好かれています」
■2:「物腰が柔らかな人に憧れて表面だけをマネしても、付け焼き刃ではすぐにボロが出るものです」
■3:「一流といわれる人には、物腰の柔らかい人が多いものだ」
■4:「○○さんは物腰の柔らかな人という印象ですが、実はかなり辛口なこともおっしゃいます」
■5:「顔の造作はあまり記憶にないが、物腰の柔らかな人だったことははっきりと印象に残っている」
■6:「普段あれだけ物腰の柔らかな彼が怒ったのだから、余程ひどいことがあったのだろう」
【「物腰が柔らかい」の「類語」「言い換え」表現】
「物腰が柔らかい」を別の言葉に言い換えてみましょう。
■穏やか
「穏やか」は「気持ちが落ち着いていて物静かな様子」。「優しい」「大人しい」という言葉とも共通点があります。
■人当たりがよい
「人当たり」とは「人と会った際などに、相手に与える感じや印象」という意味です。「人当たりが柔らかい」「人当たりがよい」「人当たりが悪い」といった使い方をします。
■柔和
「性質や態度が、ものやわらかであること」。「柔和な眼差し」というようにも使います。
■温厚 ■温和
「温厚」「温和」はどちらも「性格や態度が穏やかで、荒々しいところがまったくない様子」を表します。
【「物腰が柔らかい」人の「特徴」と「メリット」は?】
■「特徴」
・穏やかで人当たりがいい。
・性格は基本的に温厚。
・落ち着きがある。
・人への接し方がソフトで丁寧。
・上品で柔和な微笑みを浮かべているイメージ。
■メリット
・優しそうに見える。
・親切な人だと思われる。
・包容力を感じさせる。
・人に対する気配りを感じさせる。
・攻撃的な要素がないので、一緒にいて心が落ち着く。安心できる。
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「物腰が柔らかい」ことは、ただニコニコと愛想がよいこととも、単に動作がゆっくりなこととも違います。上品な印象で人から好感をもたれやすく、周囲に敵をつくりにくい人ともいえそうです。いつも穏やかでいられるのは、裏を返せば芯の強さをもっていることの証。簡単には真似できそうにありませんが、だからこそ、「物腰が柔らかい」という言葉は、魅力的に響くほめ言葉なのでしょう!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館) :