「彼女は感受性が豊かだ」はほめ言葉でしょうか。「感受性」とは、外からの刺激や印象を感じ取ることができるはたらきのこと。それが「豊か」とは一体どういうこと? 今回はこの「感受性」という言葉について深掘りしていきます。

【目次】

「感受性」は誰にもあるものです。
「感受性」は誰にもあるものです。

「感受性」の「読み方」「意味」など基礎知識】

■読み方

「かんじゅせい」と読みます。

■意味

『デジタル大辞泉(小学館)』では、「外界の刺激や印象を感じ取ることができるはたらき」と説明されています。


「感受性が強い」のと「感受性が豊か」ではどう違う?】

よく聞くこのフレーズに違いはあるのでしょうか? 正しく「感受性」を使用するためにチェックしましょう。

■感受性が強い

外からの刺激や印象を感じ取るはたらきが強いということ。置かれた状況や他人の言葉などで心が動かされやすい、言い換えれば周囲からの影響を受けやすいということです。「感受性が強い人」は、他人の気持ちに寄り添ったり共感したりすることが得意と言えますが、それによってストレスを感じることも。

■感受性が豊か

「感受性が強い」同様、感じ取るはたらきに優れているということ。他人の感情をまるで自分のことのように感じることもあり、「人の心の痛みや喜びへの理解力が高い」ことを言います。それによって、他人に対して優しくなれる反面、他人事を自分事のように受け止めて傷ついてしまうことも。


ビジネスでの「感受性の使い方」がわかる「例文」3選

■1:「感受性が強い人とネガティブな話をする際には、言葉遣いに十分気を付ける必要がある」

■2:「自然に親しんだり、音楽や美術などの芸術に触れて、感受性を磨くことも必要だ」

■3:「ストレスを受けやすいので、感受性が豊かすぎるのも考えものだ」


【「感受性」を上手に表現するための「類語」「言い換え」表現】

■類語

・鋭感(えいかん) ・鋭敏(えいびん) ・感性 ・感度 ・感じやすさ 

例)人の気持ちを鋭敏に汲み取ることができなければ(感受性が豊かでなければ)、一流のカウンセラーとはいえない。

■言い換え

・他人の気持ちがよくわかる ・他人の心に寄り添う 

例)彼女は他人の心に寄り添いすぎて(感受性が強すぎて)、大変なストレスを抱えてしまう。


【関連語「HSP」も覚えておこう

■「HSP」って何?

[Highly Sensitive Person]を略して「HSP(エイチ・エス・ピー)」と呼びます。生まれつき五感がとても敏感で、周囲に過剰に影響されやすい人のこと。1996年に、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン氏がこの特性を提唱しました。「HSP」は問題が起こると「自分のせいだ」と受け取る傾向があるため気疲れしやすく、強いストレスを受けることも。また、他人から誤解されやすい傾向にあり、日常生活に支障をきたす場合もあります。これは脳の扁桃体の活発なはたらきが原因とされ、5人に1人の割合で存在するとも言われてのです。「生きづらい」と感じたら、専門家のカウンセリングを受けることも必要かもしれません。また、ダイバーシティの実現のためにも、世の中には「HSP」を抱える人が多くいることを知っておくことは重要ですね。

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「感受性」が強い人は、思いやりに長け、共感力が強いので人気者になる傾向にありますが、傷つきやすく精神的に疲れやすいという面も。仕事上での後輩や部下をもつ立場にある人は、そういった点にも注目するのも必要かもしれませんね。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『現代用語の基礎知識』自由国民社 :