「リリック」ってなんのことかわかる？今さら聞けない言葉の意味を簡単に解説！【大人の語彙力強化塾182】

ミーティングで「デジタルネイティブのZ世代に、このアーティストのリリックが刺さっているようです」と言われたら、すんなり意味を理解できますか？ 今回の「リリック」は、もとは「叙情詩」を表す英語ですが、現在使われているカタカナ語「リリック」は少々意味が異なるよう…。しっかり確認していきましょう！

【目次】

• 今さら聞けない「リリック」の基礎知識
• ビジネスでも使える？「リリック」の「例文」３選
• 「リリック」に関連して「ポエム」「ライム」「フロウ」も！

ラップ好きなら「リリック」になじみがある？

【今さら聞けない「リリック」の基礎知識】

■意味

現在使われている「リリック」というカタカナ語は「歌詞」を意味します。

■語源

英語の〔lyric（リリック）〕からきた言葉です。そもそも〔lyric〕は古代ギリシャの〔lyre（リラ）〕という竪琴（たてごと）に語源があると言われ、その楽器の旋律にのせて気持ちを表現した「叙情詩」のことを指すように。そこから発生したカタカナ語「リリック」は、「叙情的な」「叙情詩の」という意味で使われてきました。現代では、ラップやミュージカルなどで歌われる、内面的な世界を伝える歌詞のことを「リリック」といい、総じて歌詞全体のことも「リリック」と呼ぶように。曲のクレジットに「Lyrics by 〇〇」とあれば、〇〇が歌詞の作者ということですね。

【ビジネスでも使える？「リリック」の「例文」３選】

■１：「どんな年代の人でも、何度聴いても心が沸き立つリリックのような、普遍的な商品づくりを目指したい」

■２：「新曲のリリックも、前作を超えて多くの人に愛されるだろう」

■３：「次回のキャッチコピーは、人気バンドのリリックメーカーに依頼してみてはいかがでしょう」

【「リリック」に関連して「ポエム」「ライム」「フロウ」も！】

「ラップやミュージカルには縁がなくて…」という人も、若い世代と仕事をするなら「リリック」くらいは使いこなしたいもの。また、嚙み合わないミーティングを避けるためにも、関連用語も覚えておくといいでしょう。

■「リリック」関連用語

・リリックビデオ

カラオケのモニターのように、歌詞が表示されたミュージックビデオのこと。メイキングビデオの一部であったり、ファンの創作によるものでしたが、ニーズが高まったためにプロモーションの一環として製作されるように。

・リリックスピーカー

端末と同期して再生した曲の歌詞を、モーショングラフィックと文字で表示するスピーカーです。本体にスクリーン機能があり、内容に基づいて最適なモーショングラフィックとフォントで歌詞を表示。SIXが企画開発、COTODAMAが製造・販売する、新しい音楽体験ができる次世代型スピーカーとして2016年から発売されています。

■「ポエム」とは？

「リリック」と似た言葉に「詩」を意味する〔poemが（ポエム）〕があります。「リリック＝メロディに乗せた歌詞」、「ポエム＝詩全般」を指しますが、一般的には「メロディのない詩＝ポエム」と使い分けられています。

■「ライム」とは？

「韻」「脚韻」「押韻」を意味する英語の〔rhyme（ライム）〕から生まれたカタカナ語で、「韻を踏む」という意味で使われます。「韻を踏む」とは「単語の母音を重ねるテクニック」のこと。ラップミュージックで多用される手法ですが、桑田佳祐や桜井和寿、佐野元春などの歌詞にもよく見られます。「ライムを刻む」は「韻を踏む」と同義語です。

■「フロウ」とは？

ラップでの〔flow（フロウ）〕とは「歌詞をメロディにのせること」を意味します。「歌いまわし」のことですね。

＊＊＊

今回取り上げた「リリック」は、自分では使うことがなくても、下の世代の関心事を理解するのに必要なワードかもしれません。知識としての“大人の語彙力”にも、磨きをかけていきましょう！