「オーガナイザー」とは、イベントにおける「主催者」、組織における「設立者」や「組織者」を指す言葉です。また、ファッションやインテリアの分野では、バッグインバッグやポーチ、収納家具などを「オーガナイザー」と呼んでいますね。今回はカタカナ語として定着している「オーガナイザー」の正しい意味や使い方を解説します。

【目次】

基本的な意味は「まとめる人・まとめる物」。
基本的な意味は「まとめる人・まとめるもの」。

【「オーガナイザー」を理解する「基礎知識」】

■意味

ビジネスシーンで使われる「オーガナイザー」は、イベントにおける「まとめ役」や「主催者」組織における「設立者」や「組織者」を指します。また政党や労働組合においては、組織拡充や運営を行う活動家を指す言葉でもあります。また、ファッションやインテリアの分野では、バッグインバッグやポーチ、収納家具などを「オーガナイザー」と呼んでいますね。このように多くの意味をもつ言葉として定着している「オーガナイザー」ですが、理解を深めるために、語源となる言葉を詳しく見ていきましょう。


【「英語」のスペルや意味は?】

■organizer

カタカナ語「オーガナイザー」の由来となる英単語は[organizer]。動詞[organize]に人や物を意味する接尾語「er」が付いた名詞で、さまざまな意味をもった単語として用いられています。

・組織、新設会社などの設立者、創立委員
・催し物や興行などの主催者、計画者、興行主
・労働組合組織者
・犯罪を仕組む者、「黒幕」
・段取りを整える人
・分類収納できる書類挾みや書類整理ケース

上記のように、多くの意味をもつ[organizer]ですが、基本的には「まとめる人、まとめるもの」「系統立てて整理する人、もの」という意味の言葉だと覚えておくと理解しやすくなりますよ。例えば、イベントをまとめるのは「主催者」、団体をまとめるのは「組織者」、小物をまとめるのは「収納ボックス」ですね! カタカナ語「オーガナイザー」は「オルガナイザー」とも言われ、「オルグ」と略されることもありますが、これは英単語[organizer]の「org」をカタカナ語読みしたものです。主に、労働組合や政党に属し、組織の結成や拡大を図ったり、宣伝や勧誘活動を行う人を指します。IPネットワークのドメイン「.org」は、「非営利団体[Non-Profit Organization]:NPO」によく利用されているドメインです。


【「オーガナイザー」関連の知っておきたい「用語」】

■コンベンション オーガナイザー

集会や会議、見本市、展示会などのコンベンションを企画・主催し、実施する人のこと。

■システム オーガナイザー

例えば商社のように、さまざまな分野・部門で活動しながら、全体ではひとつの目的にまとまっている形態の企業を指します。

■ジェントル オーガナイザー

ホテルや保養地などで、余暇の過ごし方を助言したり、プランを立案したりして客を楽しませる人です。

■パーティー オーガナイザー

ビジネスとして趣向を凝らしたパーティーを企画する人を指す。「パーティー コーディネーター」とも言います。

■パーソナル オーガナイザー

スケジュールや金銭収支などの個人情報を区分けしておくシステム手帳やスケジュール管理ソフトなど、職業や人ではなく、「もの」を指して「オーガナイザー」と呼ぶこともあります。バッグインバッグなど、バッグの中を整理するためのアイテムを「バッグオーガナイザー」と呼ぶなど、細分化しています。

■ライフ オーガナイザー

「ライフ オーガナイザー」の「ライフ」は「生活」を意味します。依頼者の家を片付けるのはもちろん、どのように家の中を整理すればいいのかという基本的な「思考の整理」までをサポート。言わばコンサルタントのように片付け支援サービスを提供する人を指します。


【「使い方」がわかる「例文」6選】

それでは例文を見ていきましょう。

■1:「さまざまな分野にオーガナイザーは存在し、何をまとめるかによって呼称が変わる」

■2:「プロジェクトリーダーも、まとめ役という意味ではオーガナイザーと言える」

■3:「イベントオーガナイザーに抜擢され、慣れない業務で多忙な日々を送っている」

■4:「各部署のオーガナイザーが綿密な打ち合わせを重ねた結果、会社としての業績が向上した」

■5:「財布オーガナイザーのおかげで、スマホや小物がすっきり整理された」

■6:「リビングに置いて違和感のない、機能とデザインの美しさを兼ね備えたオーガナイザーボックスはなかなか見つからない」


【「オーガナイザー」の「言い換え」「類語」表現】

■主催者

■まとめ役

■設立者

■組織者

■コーディネーター

「コーディネーター」は「いろいろな要素を統合したり調整したりして、ひとつにまとめ上げる係」。「オーガナイザー」と似たような意味で用いることができます。

■プロデューサー

「プロデューサー」は「映画・演劇・放送などにおける作品や番組の製作責任者」。上下関係としては、「オーガナイザー」が最高責任者にあたり「プロデューサー」はその部下となります。どちらも業界によって使い方が変わってくる言葉ですから、注意が必要です。

■プランナー

「プランナー」は「企画や計画を立てる人。立案者」。イベントやプロジェクトを企画するのが仕事です。「オーガナイザー」が「プランナー」を兼ねることもあり、立場としては資金提供や人材集めなどの業務も含む「オーガナイザー」が上です。

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「オーガナイザー」はさまざまな分野で用いられる言葉ですが、基本的には「まとめる人、まとめる物」という意味をもちます。「物」に対して使われることも念頭に置いて、状況に応じた意味と使い方を適切に把握できるといいですね。頭の中にも優秀な「オーガナイザー」を持ちたいものです。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館) /『現代用語の基礎知識』(自由国民社) /『イミダス』(集英社) :