「飛ぶぞ」という若者言葉をご存じですか? 「ハイになる」「最高!」といった意味のネットスラングで、SNSを中心に大流行しました。でも、この言葉が流行ったきっかけを知らなければ、何がそんなに面白いのか、さっぱり見当がつきませんよね。今回は「飛ぶぞ」の意味や、この言葉が生まれたきっかけ、使い方を解説します。

「【目次】

お気に入りは人に勧めたくなりますよね。
お気に入りは人にすすめたくなりますよね。

【若者言葉「飛ぶぞ」って知ってる?】

「飛ぶぞ」は若者世代を中心に、TwitterやTikTokなどのSNSで使われているネットスラングです。どのような意味で、どんなシーンで使われているのでしょうか。

■意味

『現代用語の基礎知識』2022年版によれば、「飛ぶぞ」は「うますぎる、素晴らしすぎるなど、何かが突き抜けている状態」を意味する言葉です。なんらかの刺激によって、「テンションMAXになるぞ!」「最高だぞ!」と伝えたいときに使われます。

■元ネタ

「飛ぶぞ」の意味はわかっても、これだけでは一体何がおもしろいのか、どうして若者たちにそれほどウケたのか、わかりませんよね。実はこの言葉には元ネタがあるのです。

「飛ぶぞ」は、2018年5月に放送されたバラエテイ番組「相席食堂」(ABCテレビ)で、ゲスト出演した元プロレスラーの長州力さんが食レポをしているときに発した言葉です。北海道猿払村の特産品「ソフトほたて貝柱」を食べた長州力さんは、その美味しさを絶賛。スタジオにいたお笑いコンビ「千鳥」のノブさんと大悟さんにも、「食ってみな 飛ぶぞ!」とすすめます。

ご存じかもしれませんが、「飛ぶ」という言葉は、薬物などを使用してトリップする、幻覚を見るなどの状態を指すスラングとしての意味合いももっています。これを踏まえた「千鳥」のふたりが「ちょっと待って。“飛ぶぞ”って…(笑)!!!!!」と爆笑。ここから、「(トリップするほど)美味しい」「おもしろい」「最高!」というニュアンスで、誰かに自分のお気に入りをすすめる際に「飛ぶぞ」が使われるようになったのです。


【「使い方」がわかる「例文」4選】】

「飛ぶぞ」は、誰かに自分のお気に入りをすすめる際に使われる言葉です。

■1:「あそこのランチ食べてみな。飛ぶぞ」

■2:SNSのハッシュタグとして「#食ってみな飛ぶぞ」

■3:「このファンデ、使ってみ!飛ぶぞ」

■4:「この映画おもしろいから見てみ、飛ぶぞ」

SNSでは、自分が好きなものを紹介するときや、食べて美味しかったものをすすめる際に、ハッシュタグとして「#食ってみな」「#飛ぶぞ」が使われます。いずれにせよ、それほど汎用性の高い言葉ではないですね(笑)。


【言われたときの「返し方」は?】】

流行語のやり取りには、「お決まりのパターン」があるものも多いのですが、「飛ぶぞ」に特に決まったオチはありません。「飛ぶぞ」とすすめられたら、「ありがとう! 食べてみるね」など、普通の返事で構いません。

***

いかがでしたか?「飛ぶぞ」はなかなかディープなお笑いネタでしたね。使う状況や相手は、慎重に判断したほうがよさそうです。意味がわからないと、相手を困惑させてしまうだけですよ。そういう意味では、「飛ぶぞ」も「大人の語彙」のひとつと言えるのかもしれません!

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『現代用語の基礎知識』(自由国民社) :