「施錠」ってなんと読む?「しじょう」と読んでいる人、いませんか?
明日・6月9日は、69(ロック=鍵)の語呂合わせで、『サイバー防災の日』『我が家のカギを見直すロックの日』など、複数の記念日に制定されています。ネット上でも現実世界でも、セキュリティは大切ですね。特にサイバーセキュリティについては、こうした記念日をきっかけに見直してみては?「ずっと、全部同じパスワードにしたまま」という方、意外と多いのでは?…というところで、本日1問目のクイズにまいりましょう。
【問題1】「施錠」ってなんと読む?
「施錠」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「錠に鍵をかけること」「電子的な仕組みで、コンピューターやサーバー、システムなどにアクセスできないように鍵をかけること」という意味の言葉です。
<使用例>
「二重に施錠していても、完全に安心と言うわけではありません」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 施錠(せじょう) です。
「施錠(せじょう)」は読めた方が多いと思いますが、「施」という字を使った熟語には「施設(しせつ)」「施策(しさく)」など、「施(し)」と読む例も多いので、「しじょう」という誤読もしばしばあるようです。お気を付けください。
…これを踏まえて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「施行」ってなんと読む?
「施行」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:以下のように、多様な使用例のある熟語で、読み方も複数ございます。
<使用例(1)>
「この法律の施行は何年からでしたっけ?
<使用例(2)>
「このプラン、ぜひ施行に漕ぎ着けましょう!」
<使用例(3)>
「祖母は、托鉢の御坊さまを見かけると、必ず施行をしていたわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 施行(しこう/せこう/しぎょう/せぎょう) です。
「施行」という熟語には「しこう/せこう/しぎょう/せぎょう」と4通りの読み方があり、どの読み方で読んでも「実行すること」という意味は共通しています。
細かくは、ヒントの使用例(3)で扱ったような「布施。善行や功徳を積むため、僧侶や貧しい人に物をほどこすこと」という意味では「施行(せぎょう)」という読み方を使うことが多かったり、「交付された法令の効力を現実に発生させること」という意味では「しこう/せこう」を使うなどの区別があります。また、慣例的に、法律関係者は「新規の法律の実行」という意味での「施行」を、「執行」と区別するためにあえて「施行(せこう)」と読むのに対し、NHKでは「工事の施工」と区別するために「施行(しこう)」という読み方で統一している…など、業界によって違うので、なかなか複雑な熟語です。とはいえ、おおざっぱには「実行する」という意味では「施行(しこう/せこう/しぎょう/せぎょう)」どの読み方でもすべて正解、と覚えておけば良いでしょう。
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本日は、6月9日が「ロック=鍵」とかかった複数の記念日に制定されていることにちなんで、「施錠」の「施」という字の入った日本語から、
・施錠(せじょう)
・施行(しこう/せこう/しぎょう/せぎょう)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『NHKことばのハンドブック』(NHK放送文化研究所)/ 『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱