「ただしめ」ではありません!意外と読めない「正目」ってなんと読む?

明日・6月10日『時の記念日』。こちらは、1920(大正9)年に定められた、もう100年以上の歴史のある記念日です。今でこそ、「時間を正確に守ること」で世界的に評価の高い日本人ですが、当時は今ほど時間を守る風潮が定着していませんでした。そこで、文部省主催の「生活改善展覧会」のあとを受けて発足した「生活改善同盟」が東京天文台などと協同で制定したのが『時の記念日』です。日付は『日本書紀』に「漏刻と呼ばれる水時計により、人々に時刻を知らせるようになった」という内容の記述のある日にちなんでいます。

『時の記念日』の制定により「時間を正確に守ることで生活を改善し、効率化を図ること」を、日本人に広く啓蒙しよう、という試みがなされ、記念日制定の翌年には『生活改善』という機関誌も創刊され、個々人の意識改革を促したそうです。ということで、本日は「正」「確」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「正目」ってなんと読む?

「正目」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「縦にまっすぐ並行に通った木目」という意味の言葉です。

<使用例>

「新居の天井には正目の木材を使って、すっきりと統一感を出したいわ」

かな3文字です。
かな3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 正目(まさめ) です。

「柾目」とも表記します。
「柾目」とも表記します。

「正目(まさめ)」は、丸太の真ん中を縦に割った際に、木の年輪が中心から均等に並行に見える状態の木目を指します。真ん中以外の部分で縦に割ったときの木目は「板目(いため)」と言い、インテリアに使うと「正目(まさめ)」は均一でスタイリッシュな印象になり、「板目」は自然ならではの風合いが楽しめる素朴な印象になります。

右が「正目(まさめ)」、左が「板目(いため)」です。
右が「正目(まさめ)」、左が「板目(いため)」です。

また、風で樹木がしなったり、虫食い後に樹液が流れたりして不規則な模様が見られる「杢目(もくめ)」は、アートのような個性が魅力と言われています。木目の呼び名にもこのようなバリエーションがあるところに、日本の先人たちの感性が息づいていますね。

さて、2問目にまいります。

【問題2】「確信犯」ってどういう意味?

「確信犯」という日本語の意味として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。

1:政治・宗教等の信念に基づき正しいと信じてなされる犯罪

2:悪いことだとわかっていて行われる行為や犯罪

3:主犯者に騙されて行ってしまった犯罪

「確信犯」の意味として正しい選択肢はどれ?
「確信犯」の意味として正しい選択肢はどれ?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 1と2 です。

2だと思っていた方が多いと思いますが、1に二重丸がついている理由は…?

「確信犯」とは、もともと「政治、宗教等の信念に基づき、本人が悪いことではないと確信してなされる犯罪」を指す言葉で、思想犯・政治犯・国事犯などの類を指しました。これが転じ、「悪いことだとわかっていながら行われた犯罪や行為。また、その行為を行った人」という意味で使われるようになりました。「彼女のドタキャンは、確信犯よね」というように、「周囲に迷惑がかかることを平気で行う人」というニュアンスでも使われていますね。

文化庁の『国語に関する世論調査(平成27年度)』によれば、「確信犯」という言葉を本来の1の意味でとらえている人は全体の17%なのに対し、2の意味でとらえている人は70%もいました。すでに2の意味が汎用化しており、1の意味と並んで辞書にも掲載されておりますが、大人の知識として本来の意味を知っておくと良さそうです。

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本日は、6月10日『時の記念日』にちなんで、「正」「確」という字の入った日本語から、

・正目(まさめ)

の読み方と言葉の背景や、

・確信犯

の本来の意味などをおさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/ 『国語に関する世論調査(平成27年度)』(文化庁)/一般社団法人日本時計協会ウェブサイト/photo AC/『iemiru』ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱