「黴雨」ってなんと読む?「かびあめ」ではありませんよ!
明日・6月11日は、令和5年の「入梅」です。「入梅」は日本古来の「季節の節目」を感じ取るための雑節(ざっせつ)のひとつで、いわゆる「梅雨入り」のことです。現代では気象予報の技術が発展しているため、「梅雨入り」は南北に長い日本の各地でそれぞれ予報されておりますが、「入梅」は、「太陽黄経80度のときと、そのときを含む日」を目安としています。その昔は、農業のその後のスケジュールを組み立てる上で大切な雑節でした。ちなみに太陽黄経とは、太陽が天球上を通る経路を糖分に分割した座標で、太陽経路0度が「二十四節気」の「春分」とされています。
ということで、本日は「梅雨」と関連した日本語のクイズをお送りします。
【問題1】「黴雨」ってなんと読む?
「黴雨」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「梅雨」のもとになった言葉とも考えられています。
<使用例>
「黴雨の前に、バスルームにカビ予防の燻煙剤を焚いておきましょう」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 黴雨(ばいう) です。
「黴(かび)」という字を使って「黴雨(ばいう)」…雨期にものがかびやすい状況を表現した熟語ながら、字だけでぞっとするようなイメージもございますね。そこで、この時期に実る「梅」の字を使い「梅雨(ばいう)」と書くことが定着化していった、と言われています。日本の先人の粋を感じる、言葉の歴史ですね。
さて、2問目にまいります。
【問題2】「空梅雨」ってどういう意味?
「空梅雨」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「梅雨空」とは「空」の読み方も意味も違います。
<使用例>
「今年は空梅雨だといいなあと思うけれど、恵みの雨が大切、という人々もいらっしゃるわよね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 空梅雨(からつゆ) です。
「空梅雨(からつゆ)」とは、「雨量の少ない、または、晴天が続いたりする梅雨期」を指す言葉です。「梅雨空(つゆぞら)」と使う字は同じですが、意味は全く違いますね。文章に出てきた際など、混同なさらないようにお気をつけください。
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本日は、6月11日、令和5年の「入梅」にちなんで、「梅雨」に関連する日本語から、
・黴雨(ばいう)
・空梅雨(からつゆ)
の読み方や、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/ 国立天文台ウェブサイト/『お天気.com』ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱