国立新美術館と「サンローラン」が、現代美術家・蔡國強氏の大規模個展を開催
現代芸術家・蔡國強（ツァイ・グオチャン／さい・こっきょう）氏の大規模個展が、東京・六本木の国立新美術館と「サンローラン」の共催にて、2023年6月29日（木）より開催されます！
火薬を創造的に用いて描く独創的な手法や壮大なスケールの制作によって、国際的に大きな注目を集めてきた蔡氏。「蔡國強 宇宙遊（うちゅうゆう） ―＜原初火球（げんしょかきゅう）＞から始まる」と題された本展では、30年前の展覧会「原初火球」を彼の原点と捉え、現在までの創作活動と思考の軌跡をたどります。
「〈原初火球〉—それは私の思想とビジョンに基づく出発であり、今日まで私に付き添ってきた。」（蔡 國強氏）
蔡氏は数十年にわたり、東洋古来の哲学や思想に立脚しつつ、風水や占星術にもつながる宇宙、そして目に見えない世界に魅了されてきました。同時に、そうした果てしない世界への現代的アプローチとしての科学技術への興味や、現代の社会問題への感受性と省察を原動力に、精力的な制作を行っています。
蔡氏の芸術の大きな特徴は、火薬を創造的に用いて作品を生み出すこと。神話的で人類学的な壮大な世界観を表明した火薬ドローイングやインスタレーション、屋外爆発プロジェクトなど、スケールの大きな制作は国際的に高い評価を受けてきました。
今回開催される個展「蔡國強 宇宙遊―＜原初火球＞から始まる」は、蔡氏が30年前に発表した「原初火球」を彼の芸術における「ビッグバン」の原点と捉え、そして、この爆発を引き起こしたものは何であり、その後今日まで何が起こったかを探求します。
宇宙と見えない世界との対話を主軸に、作家として歩み始めた中国時代。芸術家としての重要な形成期である日本時代。そしてアメリカや世界を舞台に活躍する現在まで、彼の創作と思考を遡る本展覧会は、まるで宇宙が膨張するかのように拡大してきた蔡氏の活動をたどる、壮大な旅路のようです。
作品下／蔡國強 「CAI（TM）の受胎告知」2023年［火薬、ガラス、鏡、木製パネル］七曲屏風（200× 560cm）撮影：趙夢佳、提供：蔡スタジオ
展覧会では、国内の国公立美術館の所蔵作品と、日本初公開のガラスや鏡に焼き付けた新作を含む作家所有の約50件の作品が展示。また、知られざる多数の貴重なアーカイブ資料や記録映像、そしてアーティスト自身による一人称の説明が掲示されます。
本展共催の「サンローラン」にとって、アートにおける様々なクリエイティビティへのサポートは、ブランドの使命ともいえるもの。
展覧会の開幕に先立って、「サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ」からのコミッションワークである昼花火《満天の桜が咲く日》が、福島県いわき市で打ち上げられます。こちらは、蔡氏が三十年前に現地の友人たちと行った爆発プロジェクト《地平線：外星人のためのプロジェクトNo.14》と同じ海岸で実施されるとのこと。詳細は後日追って公開されます。
以上、国立新美術館×「サンローラン」による、蔡國強氏の個展についてお伝えしました。
まるでひとつのインスタレーションのような展示を通じて、蔡氏の深遠かつ軽やかな思考と実践の旅路をたどる展覧会。雨の季節は美術館で、彼の力強い芸術の世界を体験してみませんか？
開催概要
- 蔡國強 宇宙遊―＜原初火球＞から始まる
- 会場／国立新美術館 企画展示室1E［東京・六本木］
会期／2023年6月29日（木）～8月21日（月） ※休館日：毎週火曜日 - 開館時間／10:00-18:00（毎週金・土曜日は20:00まで）※入場は閉館の30分前まで
- 観覧料／一般￥1,500、大学生￥1,000（すべて税込）
- ※高校生、18歳未満の方（学生証または年齢のわかるものが必要）は入場無料。
- ※障がい者手帳をご持参の方（付添の方1名を含む）は入場無料。
- TEL：050-5541-8600（ハローダイヤル）
- 住所／〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
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