「無神経な人」に腹を立てたことはありませんか? 「無神経な人」は誰もが察するようなことを感じ取れず、相手の神経を逆なでする言動を平気でやってしまいます。「無神経な人」に気持ちを傷つけられた経験をもつ人も多いのではないでしょうか? 今回は「無神経」について、言葉本来の意味や使い方、「無神経な人との接し方」まで解説します。
【目次】
- 「無神経」を正しく理解するための「基礎知識」
- 「無神経な人」の具体的な「特徴」は?
- 「使い方」がわかる「例文」5選
- 「類語」「言い換え」表現
- 「対義語」は?
- 「無神経な人」の「対処法」は?ビジネスでの付き合い方
【「無神経」を正しく理解するための「基礎知識」】
■そもそも「無神経」ってどういう意味?
「無神経」にはふたつの意味があります。
1)感覚が鈍いこと。感じ方が弱いこと。また、その様子。鈍感。
2)恥や外聞、他人の気持ちなどを気にしないこと。また、その様子。
「無神経な人」は、そもそも察する能力(感じ方)が鈍いために、周囲や他人への配慮に欠ける場合が多いようです。つまり、上記「無神経」のふたつの意味を兼ね備えた人と言えますね!
【「無神経な人」の具体的な「特徴」は?】
「無神経な人」について、具体的な特徴を詳しく見ていきましょう。
■その場の空気や他人の気持ちを察することができない
■どんなときにもマイペースである
■自分が無神経であることへの自覚がない
■「人と違うこと=よいこと」と思っている
■ジェンダーやルッキズムなどに配慮するといった時代の流れに関心がない
■自分の感情を優先し、思ったことをそのまま口にする
■人の話を聞かない
■笑えない冗談が多い
■自分に非があっても謝らない。謝っても同じことを繰り返す
【「使い方」がわかる「例文」5選】
■1:「無神経な○○部長は、人への気遣いがないのは無論のこと、空気をまったく読まない発言が多い」
■2:「騒音に対して無神経な人は、他人も大きな音への耐性があると勝手に思い込んでいる」
■3:「彼には無神経な発言は控えてほしい旨、再三伝えたが、どうやら自分の発言が人を傷つけているとは夢にも思っていなかったようだ」
■4:「彼は趣味の音楽以外、着るものにも食べるものにも無神経だ」
■5:「新しく異動してきた先輩は、平気で女性に『最近、太ったんじゃない?』などと無神経な発言をして、オフィスの空気を凍らせる。勘弁してほしい」
【「類語」「言い換え」表現】
■デリカシーがない
■配慮がない
「デリカシー」とは「感情、心配りなどの繊細さ」を指す言葉です。「心配りや繊細さがない」、つまり「無神経」ということになりますね。
■鈍感
■鈍い
「無神経」「鈍感」「鈍い」の3つは、「感じ方が普通より劣っていて遅い」という意味で共通しています。違いは、「鈍感」は感じ方が遅いか、まったく感じないこと。「鈍い」は感じ方だけでなく、「動作が鈍い」「頭の回転が鈍い」のように、動作や反応、頭のはたらきに対しても使われます。また、音、色、光などがはっきりしない意や、「鈍い刃」のように、刃物の切れ味が悪い意にも使われます。「無神経」は、感じ方が鈍いために外聞を気にしないことや、他人の感情を気にかけないことを指します。
【「対義語」は?】
■神経質
■敏鋭
「無神経」を「鈍感」と捉えると、対義語は「情緒が不安定で感情に支配されやすい性質」を表す「神経質」となります。敏鋭とは、感覚などが鋭いことを表す言葉。研ぎ澄まされている、といったイメージで、ほめ言葉にも使えます。
■気配りが細やか
■優しい
■思いやりにあふれた
■デリカシーのある
「無神経」を「他人の気持ちに無頓着」と捉えれば、対義語は上記のような言葉になりますね。
【「無神経な人」の「対処法」は?ビジネスでの付き合い方】
身近に「無神経な人」がいると、知らず知らずのうちに振り回されて、疲れてしまいますよね。できるだけストレスを溜めない対処法を考えてみましょう。
■ビジネス上の付き合いに徹し、できるだけ接点を減らす
■「そういう(無神経な)人」と割り切って付き合う
■必要な情報以外、何を言われても気にしない。真に受けない
■必要なやり取りは、不自然でない程度に丁重に形式的にする
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「無神経な人」が近くにいると、本当に疲れますよね。でも、「無神経な人」ほど、自分の発言や行動が周囲を困惑させていることに気付かないものです。ストレスを溜めないためにも、上手に距離を取って付き合いましょう。距離が取れない場合は、難しいかもしれませんが「気にしない」ことが大事です。「無神経な人」の言葉を真に受けて、何より大切なあなた自身が傷つく必要はないのです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館) /『角川類語新辞典』(角川書店) :