「鈍感力」は2007年に発刊された、作家・渡辺淳一氏の同名著書のヒットによって流行した言葉です。コロナ禍を経て、敏感で繊細な人が増えている近年、再びこの「鈍感力」に注目が集まっています。あえて「鈍感」でいることを選択し、「鈍感力」を鍛えることで心が軽くなり、シビアなビジネスシーンを勝ち抜くパワーを蓄えることができるかもしれません。一緒に学びましょう!

【目次】

ストレスフルなビジネスシーンを生き抜く処世術のひとつです。
ストレスフルなビジネスシーンを生き抜く処世術のひとつです。

【「鈍感力」を正しく理解するための「基礎知識」】

■意味

「鈍感力」について説明する前に、「鈍感」という言葉を復習してみましょう。

「鈍感」とは、「感じ方が鈍いこと。気が利かないこと」。どんなときにも反応が鈍い人には、周囲はイライラさせられるものです。特に「場の空気を読む」ことが重要視される社会において、「鈍感」であることはネガティブに捉えられがち。でも実は、小さなことは気にせずに、ゆったりと生きているほうが、最後に勝ち残ることができるのでは? と、「鈍感」であることに積極的な意義を見い出したのが、「鈍感力」という考え方です。

「鈍感力」とは、ストレスになりそうな情報を「あえて気にしない」「考えすぎない」ことでメンタルをコントロールし、「上手に受け流す力」のことです。「ストレスフルなビジネスシーンを生き抜く処世術のひとつ」とも言えますね!


【「誰」が発信したの?流行した「経緯」は?】

「鈍感力」は2007年発刊の渡辺淳一氏の『鈍感力』という著書のヒットによって流行語となった言葉です。「大事を成すためには日々の小事に心を煩わせないおおらかさが必要である」という想いを「鈍感力」と表現しました。さらに同年、第1次安倍晋三内閣の支持率の低下に悩む与党幹部に対し、小泉純一郎前総理がエールを送った際、「目先のことには鈍感になれ。鈍感力が大事だ」と語ったことが報道され、「今を生きぬく知恵」として、一般に広く知られるようになりました。


【どんな力?具体的な「特徴」は?】

ストレスフルなビジネスシーンにおいて、「先のことを考えすぎて不安」、「空気を読みすぎて疲れる」といった悩みを抱える人こそ身に付けたいスキル、それが「鈍感力」です。

■「気にしすぎない」「心配しすぎない」からポジティブ思考でいられる

■ストレスに悩まされないのでメンタルが健全

■価値観や考え方の違う人も柔軟に受け入れられる

■逆境に強い


【「鈍感力」の「鍛え方」ってある?】

あえて「気にしない」「考えすぎない」といった「鈍感力」を身に付けると、肩の力が抜けた毎日を送ることができます。そのためには、日常のちょっとした習慣や考え方を変えること。「あえて鈍感になるためのトレーニング」をご紹介しましょう。

■無理して周囲に合わせるのをやめる

■自分を実際よりもよく見せようとしない

■「あまり気の回らない人」を見習う

■先に気付いても、「きっと誰かがやってくれる」と思うようにする

■多少相手が不機嫌でも、気付かないふりをする

■「完璧」を目指さない

■困ったときは「なんとかなる」と思うようにする

そもそも「鈍感力」を身に付けたい! と切望するような人は、平均よりも「人に気を遣う」人。基本的に、いわゆる「いい人」です。意識して「自分水準でいい加減」にしたり「適当」にしたりしても、周囲に迷惑をかけるほどの事態にはならないはず。それに、あなたの心配事は思う程には、実際に起こらないものですよ。「鈍感になることを習慣づける」ことで、今よりラクに過ごせるようになるかもしれません。そうして蓄えたパワーを仕事に注げばいいのです。


【「類語」「言い換え」表現】

造語である「鈍感力」をぴったり言い換える表現は難しいのですが、似たニュアンスの言葉をご紹介します。

■スルーするスキル

■図太い神経

■空気を読まない

■強いメンタル


【「対義語」は?】

■完璧主義 

「物事は完璧でなければならない」、「ミスは許されない」など、過度に完全を追求する傾向にある人のことを「完璧主義者」と言います。ストレスを感じることが多い人は、「完璧主義に陥っていないか?」セルフチェックをしてみましょう。

■理想主義

「理想主義」は現実と妥協することなく「理想を立て、実現しようとする立場」を指します。理想を追い求める姿勢は素晴らしいものですが、理想が大きすぎると、前に進めなくなってしまうこともありますよね。


【「英語」で言うと?】

「鈍感」の英語表現は[insensitive]で、繊細を意味する[sensitive]の対義語です。「無神経な」「反応を示さない」「気付かない」といった意味もあります。「鈍感力」は[insensitivity]という英語で表現できます。

・Sometimes it's  important to have insensitivity.(ときには鈍感力をもつことは大切だ)


【「鈍感力」の取り扱い「注意点」】

自分の周りにいる「鈍感」な人に、イライラさせられた経験をもつ人は多いはず。あなたがもしも「鈍感力」を身に付けても、決して「鈍感な人」になってはいけません! 「鈍感力」はあくまでスキル。発揮する場面としない場面を見極めて使いましょう。常に「鈍感力」を発揮し続けると、周囲からの信頼を失うばかりか、自分の成長にブレーキをかけてしまうことにもなりかねません。

■本当に向き合うべきこと、やるべきことはスルーしない

■本当に困っている人にはきちんと対応する

***

「鈍感力」とは、単に「鈍感」なこととは違います。繊細すぎてストレスが溜まる感覚を、あえて鈍感にしていくことで心身のパワーを温存し、最後に勝ち残るためのスキルです。「ちゃんと仕事に向き合う」「ちゃんと自分と向き合う」ことは大切ですが、そのために自分が疲弊してしまっては本末転倒。「鈍感力」を上手に活用して、「ステイヘルシー(元気でいること)」を心掛けましょう!

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:/『デジタル大辞泉』(小学館) /『イミダス』(集英社) /『現代用語の基礎知識』(自由国民社)/『「気にしない」「考えすぎない」でラクに生きる 鈍感になる練習』(内外出版社) :