「黄口児」ってなんと読む?「きくちじ」ではありませんよ!
明日、7月4日は、児童文学の世界的な名作『不思議の国のアリス』の原型となる物語が生まれた日、といわれています。1862年のこの日、のちに「ルイス・キャロル」のペンネームで活動することになる数学者・ドドソン氏が、知人の娘であるアリス・リデルに即興で話して聞かせたものが、のちの『不思議の国のアリス』となりました。
ドドソン氏はそれまでにも、いくつかの即興の物語を聞かせていましたが、アリス・リデルがこの日のお話を特に気に入り、「書き留めてほしい」と願ったことから、自ら挿絵を描いて装丁、『地下の国のアリス』というタイトルの本にして彼女にプレゼントします。そして、この制作中、ドドソン氏の知己であった児童文学の作家が作品の出来栄えを評価し、出版に尽力、バージョンアップして出版されたのが現在の『不思議の国のアリス』です。当時、イギリスの児童文学は教訓主義的な内容に偏っていたため、『不思議の国のアリス』の斬新な作風は大きく評価され、世界的な人気を博すまでに羽ばたきました。
ということで本日は「児」「童」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「黄口児」ってなんと読む?
「黄口児」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「年が若く、経験や知識などが足りない者。青二才」という意味の言葉です。鳥の雛のくちばしが黄色いことをたとえた言葉です。
<使用例>
「自信があるのは悪いことではないけれど、彼のビックマウスはいかにも黄口児、という感じね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 黄口児(こうこうじ) です。
「○○児」という言葉には、「才能に優れ、将来が期待される少年」という意味の「麒麟児(きりんじ)」や、「社会の変動などに乗じて活躍する人物」という意味の「風雲児(ふううんじ)」など、褒め言葉も多くありますが、「黄口児(こうこうじ)」は未熟さを指摘する際のフォーマルな表現です。「青二才」の同義語ですが、「青二才」では表現が苛烈すぎる、というときなど、「くちばしが黄色い雛」にたとえるこの言葉はやソフトなニュアンスもあり、便利な表現かもしれません。さて、2問目は「童」という字の入ったクイズです。
【問題2】「御河童」ってなんと読む?
「御河童」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:日本のトラディショナルなヘアスタイルの呼び名です。
<ヒント>
「黒髪の御河童は、大人の女性がするとオリエンタルでミステリアスな感じにもなるわね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 御河童(おかっぱ) です。
「御河童(おかっぱ)」というヘアスタイル名、今でも使いますね。昔の日本では幼い女の子の代表的なヘアスタイルでしたが、改めて考えると、架空の妖怪である「河童」になぞらえる…という発想のユニークさに驚きます。
***
本日は、7月4日、児童文学の世界的な金字塔『不思議の国のアリス』の原型が誕生したと言われる日にちなんで、「児」「童」という字の入った日本語から、
・黄口児(こうこうじ)
・御河童(おかっぱ)
などの読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱