後輩や部下など年齢差、世代間ギャップがある相手との会話では、しばしば「?」と思いつつ、なんとなくわかったつもりで聞き流している言葉って、ありませんか? 話の脈略から「たぶんこういう意味…?」と理解したつもりでも、自分が使うのは自信がない…今回の「バイブス」もそんな言葉のひとつではないでしょうか。「それって具体的にどういうこと?」なんて今さら聞きにくい、カタカナ言葉の「バイブス」をしっかり把握しましょう!

【目次】

「バイブス」が合う人とはすぐに打ち解けられます。
「バイブス」が合う人とはすぐに打ち解けられます。

「バイブス」とは?「意味」など基礎知識】  

■意味

雰囲気、周囲から受ける感じ、いい感じ、ノリのことを「バイブス」と言います。

■語源

若者が使っている「バイブス」は、「雰囲気」や「居心地」を意味する英語の俗語[vibes]からのもの。この[vibes]は、「振動する(させる)」や「心の震え」「動揺」などを表す[vibration]を省略した言葉です。[vibes]と使う場合には、「ぞくぞくする」や「おののく」というように、感情が揺れるほどいいとか、刺激的であることを指すのです。

この「バイブス」、もともとはアメリカを中心に音楽シーンで使われ出した言葉なのだとか。ヒップホップやレゲエなど、フィーリングやノリを重視する音楽を表現する際に使われていました。日本では、2000年代にヒップホップやレゲエミュージックが注目された際に、業界用語として使われるようになったといわれています。また、恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演したギャルでモデルの今井華さんが多用して一気に若者の間に浸透、2013年にはギャル流行語大賞の1位になっています。

■使い方

「バイブス高い!」「バイブス上げていこう!」「バイブスやばい」というように使いますが、“大人の語彙力”としてはいささか…ですね。とはいえ、言葉がもつ“ノリ”は把握しておくべきでしょう。


【「バイブス」の使い方がわかる「例文」5選

■1:「嫌いとか苦手というほどではないけれど、なんとなくバイブスが合わない人っているよね」

■2:「ここで参加者のバイブスを一気に上げていきましょう!」

■3:「初対面で心配してたけど、バイブスが合ってよかった!」

■4:「なにバイブス下がってるの、もっと楽しもうよ!」

■5:「先輩に教えていただいたバー、バイブス最高でした」


【「バイブス」の代わりになんて言う?「類語」「言い換え」】

10代20代ならともかく、大人がビジネスシーンで「バイブス」は使いにくいもの。いくら相手が若者だとしても、です! その雰囲気を壊さず伝えるために、いい塩梅の言い換えをするのが“大人の語彙力”の見せどころですね。

■テンション

「すごく素敵なところで、テンション上がったわ」

■フィーリング

「能力だけでなく、フィーリングが合いそうな人を集めることも、プロジェクトリーダーの重要な役割だ」

■ノリ

「営業職はノリがいいのも大切だが、製品アピールもしっかり頼むよ」

■雰囲気 

「雰囲気重視か、予算重視か…幹事の悩みどころだ」

■気分

「開始直後から気分が上がるような仕掛けを考えよう」

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若者言葉やギャル言葉を大人が使うのは「ちょっとイタい…」となることが多いのですが、意味は理解しておかなければ世代間ギャップは広がるばかり。場合によっては、ビジネスシーンも年代だけでなく、国籍ギャップやジェンダーギャップがなくなりつつあるからこそ、双方のコミュニケーションに“言葉”は重要なのです。言葉は生き物、日々勉強ですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『現代用語の基礎知識』(自由国民社)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :