今回取り上げる「考える力」とは、現代社会を生き抜くために必要なものです。なぜ大切なのか、そしてどうしたら「考える力」がつくのか、解説していきます。

【目次】

「考える力」を鍛えるには読書も大切!
「考える力」を鍛えるには読書も大切!

ビジネスシーンで使われる「考える力」とは?】

Amazonや楽天ブックスの検索窓に「考える力」と入力してみてください。さまざまな“考える力関連本”がヒットするはずです。子ども向けのドリルからビジネス本まであり、「考える力」の重要性がわかりますよ。では、この「考える力」とは、一体どういうことなのでしょうか?

■「考える力」の意味

今更…ではありますが、「考える」とはどういうことでしょう。 『デジタル大辞泉』で「考える」を引くと、「知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる」「予測する。予想する。想像する」「 工夫する。工夫してつくり出す」などと記載されています。規模の大小はあっても、経験を積んで知識を得ながら、想像力をはたらかせ、予測し、工夫して生きていくことは、子どもも大人も同じですね。その「力」がある人、「考える力」が高い人は、仕事の上で“能力が高い人”と評価されます。


「考える力がある」と言われる人の3つの特徴

■1:理解度が高い

「考える力」がある人は、ものごとを一方的、表面的ではなく、多角的に捉えられます。洞察力に優れ、視野の広さも備えているので、相手の立場で考えることも得意、変化などにも敏感です。ひとつ投げたら正確に返ってくるだけでなく、ふたつ3つと副産物付きで返ってきたりも。求められているものを的確に察知するので、ビジネスシーンで「考える力のある人」は大変重宝がられます。

■2:想像力が旺盛

ビジネスシーンにおける「想像」とは、経験や知識に基づいた「予測」です。フィクションではなくリアル。ときには突拍子もないアイディアなども飛び出しますが、それも「考える力」あってのものなのです。期待以上の成果を上げたり、新しい風を起こしたりするので、こういう人が近くにいたら学ぶところが多いでしょう。

■3:伝え上手

理解度が高く想像力にも長けている人は、理論的な思考と要点を整理する能力ももち合わせています。相手の言っていることを瞬時につかむことができるのです。ものごとを伝えるシーンでは、要点をかいつまんでわかりやすく説明することができるので、プレゼンなどでの発表者に向いています。このほか、行動力があるのも「考える力」がある人の特徴です。「考える力」はアウトプットしてこそ。いずれにしてもこういう人との仕事は歓迎され、「考える力」のない人は評価が低くなるでしょう。


【「考える力がある人」の具体的な特徴】

■積極的 ■他人の話をよく聞く ■読書家 ■ポジティブ思考 ■ネット上の情報を鵜呑みにしない

■常識やルールに固執しない ■向上心が強い ■頭の回転が速い ■趣味や興味が多様 

■失敗を恐れない ■切り替えが速い

確かにこんな特徴を備えている人は、仕事でも頼りになりますね。では、どうしたら「考える力」がつくのでしょうか。次にその秘訣を探ります。


【「考える力」の鍛え方

『デジタル大辞泉』に記載されていた「考える」とはどういうことなのか、思い出してみてください。それを意識して訓練すれば、「考える力」がアップしそうではありませんか?

■筋道を立てて頭をはたらかせる(考えて行動する)

例えば、あるネガティブな現状を打開したいと思ったら、なぜそうなったのか、経験や知識に基づいて原因や過程を検証することが大切です。無意識化していることも、考えてから行動してみてください。

■積極的に疑問に思ってみる(なぜ・なに・どうして化)

重要なのは「なぜ?」と疑問に思うこと。私たちには経験や知識があるので、子どもに比べて疑問に感じることがぐっと少なくなっています。無理にでも「なぜ?」と思うことから「考える力」は伸びていくのです。

■予測する、想像する(可能性を手に入れる)

「なぜ?」と思ったら、別の方法だったらどうなっていたか、想像しましょう。うまくいったか、やっぱりいかなかったかはわかりませんが、転換する可能性が見つかるかもしれません。

■ 工夫する(行動する)

今まで習慣にしていなかったことにチャレンジしたり、無意識に習慣化していたことを意識的にやってみる。考えるだけでなく行動を伴わせることで、「考える力」は格段にアップするはずです。


【「考える力」の「類語」と「ビジネス例文」3選】

「考える力」の類語として「思考力」や「洞察力」「創造力」が挙げられます。

最後に、これらを使ったビジネス会話での例文を見てみましょう。

■1:「新人のみなさんは、仕事を覚えるのと同時に、なぜそうするのかと考える力も養っていただきたい」

■2:「思考力が乏しいと、問題が起こったときの回復に時間がかかるんだよ」

■3:「彼の抜きん出た洞察力は、チームの底力となっているのは間違いないね」

***

フランスの哲学者パスカルの言葉に、「人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」とあります。いわゆる“考える葦”ですね。自然界における人間のか弱さと、思考する存在としての偉大さを表したもの。「考える力」とは「人間力」とも言い換えられそうですね!

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『大人の語彙力大全』(KADOKAWA)/『旺文社世界史事典 3訂版』(旺文社) :