「ぞんざい」とは、ものごとをいい加減にしたり乱暴にしたりすることを言います「ぞんざいに扱う」や「ぞんざいな人」などと使いますね。特に仕事をするうえで「ぞんざい」は歓迎されません。今回は言葉の意味から、自分を振り返ってみましょう。

【目次】

「ぞんざいな人」への対応はどうする?
「ぞんざいな人」への対応はどうする?

「ぞんざいに扱う」とは?「ぞんざい」の「意味」など基礎知識】

■「ぞんざい」の意味

ものごとをいい加減にすること、投げやりにすること。また、乱暴なふるまいや失礼な態度も表します。

■「ぞんざい」の語源

「麁雑(そざつ)」や「存在」という言葉が転じたという説が。「麁雑」は「粗雑」同様、いい加減で大雑把という意味です。

■「ぞんざい」の漢字

「ぞんざい」に漢字表記はありません。

■「ぞんざいに扱う」とは

ものを乱暴に扱ったり、人に対する言動が無作法なさまを言います。「ぞんざいに扱う」や「ぞんざいな扱い」のほか、「ぞんざいな人」や「ぞんざいな態度」「ぞんざいな口調」「ぞんざいは仕事ぶり」などと使います。


【「ぞんざい」は方言?】

静岡県の一部の地域や、島根県隠岐島(おきのしま)では「ぞんざい」を「わがまま」という意味で使用することも。また、山形県庄内地域では、粗忽(そこつ)なことを「ぞんぜ」といいます。

「いけぞんざい」という言葉を聞いたことがある人は多いかもしれません。この言葉は、現在は一般的に、ひどく投げやり・雑にするさまや、ひどく不作法なさまを言いますが、もとは隠岐島で使われていた方言。隠岐島では「いけぞんざい」で「生意気なさま」を表します。

ちなみに「いけ」とは、多くの場合、好ましくない意味を含む名詞や形容詞、形容動詞などの上に付いて、卑しめたり非難したりする気持ちを強く表す接頭語です。「いけしゃあしゃあ」や「いけあつかましい」「いけ好かない」など、ご存知ですよね。


【「ぞんざいに扱う」や「ぞんざい」の使い方がわかる「例文」6選】

■1:「新人だからと、ぞんざいに扱っていいものではない」

■2:「ぞんざいに扱われたことに対して強く抗議する」

■3:「いくら接客がうまくても、バックヤードで商品をぞんざいに扱う従業員は信頼できない」

■4:「ぞんざいな態度をとってしまったことを深く反省した」

■5:「ぞんざいな口調のお客様にも、ぐっとこらえて対応しなければならないのが大きなストレスです」

■6:「ぞんざいな返事からも、士気の低さがうかがえる」


【「ぞんざい」の「類語」「言い換え」「対義語」】

■類語、言い換え

・粗略(そりゃく) ・粗雑 ・粗野 ・不作法 ・ぶっきらぼう ・いい加減 ・粗っぽい

■対義語

・丁寧 ・念入り ・丁重 ・丹念 ・入念 ・大事


【「英語」での表現】

「ぞんざい」は、[rough(荒っぽい)][rude(無作法な)][perfunctory(おざなりの)][slipshod/careless/ sloppy(いい加減な)]で表わすことができます。

・a rough reply(ぞんざいな返事)

・What a slipshod piece of work!(なんてぞんざいな仕事だろう!)

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今回の「ぞんざい」はビジネスシーンでは避けたい言葉ですが、意味をしっかり理解することは、「ぞんざいな態度をとっていなかったか?」「忙しくてついぞんざいな口をきいてしまった…」などと、自分を振り返り反省することにもつながりますね。コツコツと“大人の語彙力”を鍛え、自分自身を磨いていきましょう。

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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『使い方のわかる 類語例解辞典』(小学館)/ 『日本国語大辞典』(小学館)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :