手のひらの上で愛でたい、それはもうアート【和菓子の小宇宙】
その歴史は、縄文時代までさかのぼるとされる和菓子。脈々と受け継がれた伝統や技術、日本の四季や風土を映す心を継承しながら、多様な素材やデザインを取り入れ、和菓子は今も、日々進化し続けています。
このうえない口福と美しい佇まいで、至福の時をもたらしてくれる麗しき和菓子たちを、その世界観と共にお楽しみください。
鎌倉「手毬(てまり)」の練り切り『手毬』
鎌倉の四季や情景を “色” で切り取る小さな宇宙
海や空、花や木々、鳥や虫たち。四季折々に移ろう鎌倉の “色” を、愛らしい姿で表現した練り切り『手毬』は、店の主役菓子。
和菓子の美しさに魅せられ、この世界に飛び込んだという店主が手掛ける菓子はどれも、繊細で大胆な色使いと、趣向を凝らしたデザインで私たちの目を楽しませてくれる。
こちらの『手毬』は、白あんに求肥(ぎゅうひ)を練り込んだ練り切り生地に、初秋をイメージした色をつくって色付けし、成形したもの。この、絶妙な色を生み出すセンスと配置の妙、そして何本もの美しい筋をつける確かな技術こそが、この菓子の真骨頂!
季節ごとに変わる鮮やかな色のグラデーションはもちろん、ころんとまあるい姿の『手毬』は、まさに手のひらの小宇宙というべき逸品。
鎌倉の工房では、物販や茶寮のほか、『手毬』をはじめ、季節の創作和菓子を自らの手でつくる楽しみを体験できる和菓子教室も開催している。
※掲載商品の価格は、税込みです。
◇お店DATA
住所/神奈川県鎌倉市坂ノ下28-35
【茶寮てまり】
営業時間/11:00〜16:00(売切れしだい販売終了)
休み/月・火・木曜
問い合わせ先
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- PHOTO :
- 川上輝明(bean)
- STYLIST :
- Chizu
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、古里典子(Precious)