手のひらの上で愛でたい、それはもうアート【和菓子の小宇宙】
その歴史は、縄文時代までさかのぼるとされる和菓子。脈々と受け継がれた伝統や技術、日本の四季や風土を映す心を継承しながら、多様な素材やデザインを取り入れ、和菓子は今も、日々進化し続けています。
このうえない口福と美しい佇まいで、至福の時をもたらしてくれる麗しき和菓子たちを、その世界観と共にお楽しみください。
京都「老松(おいまつ)」の『山人艸果(さんじんそうか)』
日本の豊かな風土と自然の恵みに、敬意と感謝を
古来、日本の菓子は木の実や果物で、自然の恵みに感謝し、野山の草木に宿る霊を敬うものだった。そんな菓子の原点を大切にして現代の菓子へと昇華させたのが京都・上七軒(かみしちけん)の老舗菓子店「老松」の『山人艸果』。
少しずつ糖度を上げながら数日間じっくり蜜漬けにした金柑と、丁寧に香ばしく炒った胡桃に、それぞれ真っ白いすり蜜をあしらって仕上げた『橙糖珠(だいとうじゅ)』と『胡桃律「ことうりつ)』。
日本の豊かな風土を感じさせる趣と、愛らしく美しい佇まいが印象的。奇をてらわず、天然の風味や旨味をそのまま生かした菓子は、しっかりとした甘さで、お抹茶やちょっと苦めのコーヒーなどと相性抜群だ。
※掲載商品の価格は、税込みです。
◇お店DATA
住所/北野店/京都府京都市上京区社家長屋町675-2
営業時間/9:00~17:00
休み/不定休
問い合わせ先
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- PHOTO :
- 川上輝明(bean)
- STYLIST :
- Chizu
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、古里典子(Precious)