手のひらの上で愛でたい、それはもうアート【和菓子の小宇宙】
その歴史は、縄文時代までさかのぼるとされる和菓子。脈々と受け継がれた伝統や技術、日本の四季や風土を映す心を継承しながら、多様な素材やデザインを取り入れ、和菓子は今も、日々進化し続けています。
このうえない口福と美しい佇まいで、至福の時をもたらしてくれる麗しき和菓子たちを、その世界観と共にお楽しみください。
京都「緑寿庵清水(りょくじゅあんしみず)」の『らいちの金平糖』
伝統と革新。技とアイディアで進化する、繊細で大胆な金平糖
江戸後期に京都で創業、日本で唯一の金平糖専門店「緑寿庵清水」。小さなイガ(突起)がきらきらと輝く星のような美しい形と、噛んだ瞬間ふわりと広がるライチの香りと風味はあまりにも繊細で、金平糖の概念が覆される。
レシピがなく、一子相伝の技で受け継がれてきた金平糖は、わずか0.5ミリほどの「イラ粉」を釜に入れ、蜜をかけながら水分を飛ばして乾燥させ、また蜜をかける…を繰り返し、2週間以上かけて完成させたもの。大きな釜の上でザザーッと流れる音や蜜の濃度、釜の温度などを調節しながら状態を見極める技術の会得には20年かかるとか。さらに、独自の製法で果実や日本酒など90種以上の多彩な味と色を実現。季節の味をぜひ体感して。
※掲載商品の価格は、税込みです。
◇お店DATA
住所/京都府京都市左京区吉田泉殿町38-2
営業時間/10:00~17:00
休み/水曜 (祝日は営業)
問い合わせ先
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- PHOTO :
- 川上輝明(bean)
- STYLIST :
- Chizu
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、古里典子(Precious)