「私はメガネが似合わない!」と思っている人の大半は、メガネをかけることへの苦手意識を払拭できていない人が多いと、眼鏡スタイリストの第一人者である藤 裕美さんはいいます。「第一印象を決める大切なアイテムだけに、選ぶことが難しいと思う人も多いと思いますが、似合うメガネを探すこと自体は、服を選ぶのと同じようなもの。まずはメガネ顔の自分に慣れるために、違うタイプのフレームをできるだけ沢山かけて、感触をつかんでください!」
メガネをかけると「美人」になれるは本当!?
そんな藤さんは、自身のイベントなどで、来場したお客さんに対して、その場で似合うメガネをフィッティングする「即興スタイリング」を実施されています。顔幅や目の位置、顔の輪郭などに加え、トレンドや使用するシチュエーションまでを考慮しながら「ベストワン」を選び抜いてくれるその企画はとても好評で、体験者はみな「メガネ1本で生まれ変わる、自分の中にある別の表情」を発見し、足取り軽やかに帰っていくといいます。
独自のルールと経験値から、それぞれの個性を生かすようセレクトするその様は、まさに神業。今回は、Precious.jp読者10名が体験したメガネフィッティングの実態を、2回に分けてレポートします。「メガネをかけるだけで綺麗になる」は本当!? 十人十色なメガネ選びをご覧ください。
■1:「寄り目にならない」目幅サイズ選びがポイント
藤さん’Sコメント
顔が小さく目と目の距離が狭いため、店頭に並んでいるメガネのなかから、サイズの小さいものや鼻幅が狭いものを選ぶとバランスが取りやすくなります。顔に対してサイズの大きいものをかけると、正面から見たときに、レンズのこめかみ側のスペースが空き、黒目が中心に寄って見えてしまいます。黒目がレンズ幅の中心にくるよう意識しながらメガネを選ぶことで、メガネ美人になれますよ!
体験者:白井真紀さん(専業主婦)
目もとの存在感が強くなった気がします。普段は黒縁の大きいフレームのタイプを使用しているのですが、サイズ感が合ったニュアンスカラーのフレームのものは、優しさや女性らしさを感じさせながらも、ちゃんと主張してくれているのがステキだなと思いました。
■2:キツく見えない「お仕事メガネ」の選び方
藤さん’Sコメント
仕事でもメガネを使用されるとのことですので、カッチリ見せつつも女性らしいやわらかさを感じさせるフレームがオススメです。メタルフレームでもラウンドタイプを選ぶことでメガネの主張を抑えることができ、印象が和らぎます。さらにこちらは、ベージュとグレーが合わさったマーブル生地がリムに使用されているので、肌写りも良くなります。髪の毛を結ぶと若々しく魅せることもできるので、シチュエーションに合わせてアレンジして、表情の変化を楽しんでください。
藤さん’Sコメント
よりやわらかく、優しく魅せたいときには、肌に馴染みやすいクリアーなピンクフレームを選ぶと、話しかけやすい存在になれますよ。
体験者:福山美香さん(麗禅会 代表)
私が実際に使用しているメガネよりつけ心地も軽く、邪魔しないので、仕事効率化にも繋がりそうです。そして、鼻が高くメガネを選ぶのが難しかったのですが、「なるべく欧米のブランドを選ぶこと、そして鼻パットを調節できるメガネを探すこと」など、的確なアドバイスをいただけたので、次を選ぶときには参考にさせていただきたいと思います。
■3:苦手意識を払拭するには、自分のメガネ顔に慣れること!
藤さん’Sコメント
メガネに対する苦手意識が強い方なので、まずは「自分のメガネ顔」に慣れることが必要です。今回は同じフレームの色違いをかけていただきました。同じシェイプでも、べっ甲のものは若干カジュアルなムードに、グレーのものは上品に魅せるなど、変化に気づくことができます。なりたい自分をイメージしながらいろんなメガネをかけていくことで、メガネに対する抵抗が少なくなっていきます。
メガネ慣れをしていない人が鏡を通して自分を見ると、メガネ単体の良し悪しを判断してしまう傾向にあるので、写真に撮って客観的に見てみることをオススメします。そうすることで「私には似合わない!」という思い込みが緩和し「意外と似合うかも!?」と、徐々にマインドチェンジしていけると思いますよ。
体験者:橋本絵里子さん(アークアカデミー 代表)
実際にメガネをかけてみたら、かける前に抱いていた「絶対に似合わない!」と思っていたイメージとも異なり、「意外と似合うかも!?」と思うことができました。「女優になった気分で、メガネで変化する自分を楽しんで」とおっしゃる藤さんのアドバイスを信じて、まずは苦手意識を払拭できるよう、お店でもいろいろなタイプを試してみようと思います。
■4:オーバーサイズでトレンディーな「外し感」を楽しむ
藤さん’Sコメント
お顔立ちがハッキリしている方なので、個性の強いメガネでも負けずに取り入れることができると思います。今日は、トレンドを意識したクリアーカラーのフレームを選んでみました。あえてオーバーサイズでかけることによって、今どき風味な「外し感」を演出することができます。こちらのメガネは、ライトブラウン・ブルー・クリアーと3層の生地を重ねて仕上げられているため、見る角度によって色が変わるという特徴があります。これ1本でさまざまな表情を演出できるという点でもオススメです。
体験者:小島里砂さん(専業主婦)
普段は少し小さいグラスサイズのブラックフレームのメガネをしているので、クリアータのメガネをかけた瞬間、視界が広く開放的に感じました。普段からメガネをかけているものの、どんなフレームタイプが自分に似合うかが分からず、つい無難なものを選びがちだったので、これからは遊び心あるメガネも積極的に取り入れてみたくなりました。
■5:外でも堂々と使える!自慢したくなる「老眼鏡」
藤さん’Sコメント
普段から、前髪と横髪で顔を覆うヘアスタイルを好まれているとのことでしたので、今回は、目元が重くならないよう、あえて小ぶりで華奢なラウンドタイプのフレームを選びました。こちらはブリッジとテンプルにゴールドのマット加工が施されたメタル素材が使用されているので、黒フレームでも強さが緩和されて「かわいらしい印象」を与えることができます。
普段老眼鏡を使用されているとのことでしたが、30代後半から老眼症状を実感する人が多くいると言われています。ほとんどのメガネに老眼鏡加工ができるので、気に入ったフレームのレンズを入れ替えて、外出先でも自然な装いを楽しんでください。人生の半分をともにする老眼と上手くつきあっていくためにも、伊達メガネ感覚で使う日常使い用に遠近両用レンズ、仕事時には中近両用レンズ、近くを見るときには単焦点レンズを選ぶなど、生活スタイルに合わせたレンズ選びを取り入れて、身体への負担も減らしてあげてください!
体験者:斎藤由紀さん(会社員)
メガネ自体は好きで、伊達メガネやサングラスはよくかけます。普段は黒縁のデカフレームを選びがちなので、確かに強い女性に見えがちだったかもしれません。これからは顔全体をキャンパスと捉え、前髪とのバランスも考えながら選んでみようと思います。今までは老眼鏡を外でかけたことがなかったのですが、レンズの差し替え加工もできるとのことなので、いつでも堂々と使えるよう早速利用してみようと思います。
■6:サイズ合わせで、どんなメガネも映える美人顔に!
藤さん’Sコメント
目幅が狭くメガネが見つかりにくいと悩まれているとのことですが、自分の洋服サイズをSMLを基準に知っているように、メガネのサイズ感も知っておくと、楽に選べるようになります。小顔なので、鼻幅やレンズ幅が狭く、全体的に小ぶりなタイプのメガネを選ぶとバランスよくキレイにかけることができます。
お顔立ちもはっきりされているので、スクエア調の正統派メガネをかけるだけでも、印象をガラリと変えることができます。目が大きい方なのでレンズも少し大きめ、そして、強い印象になり過ぎないよう細めのリムを選ぶことで、エレガントに仕上がりますよ。
体験者:田路典子さん(専業主婦)
「世界一メガネが似合わない!」と思っていたのですが、実際にかけてみると「意外と似合うものなんだな」と気づくことができました。そもそも「サイズ選びが間違っていたことが、メガネが似合わない原因だった」ということも分かりましたので、次回からは自分の顔に合うサイズを意識しながらフィッティングできるといいなと思います。自分のなかに新たな一面を見つけることができて良かったです!
■7:フォックスにはハイヒールと同等の効果が!?
藤さん’Sコメント
色白でやわらかい印象の方なので、逆にキリッとした強めのフレームを選ぶと、第一印象でも相手の記憶に残る存在になれます。とはいえ、怖いイメージにならないよう、女性らしさあるバランスを意識することが重要です。今回は、女性にとってはハイヒールと同じような存在ともいえる「フォックスフレーム」をご提案したいと思います。目尻をキュッとあげることでレディー感が加速するとともに、凛々しくも見せてくれます。肌なじみの良い細身のゴールドフレームは、女性らしいメイクと合わせることで、より色気を引き出してくれますよ。
藤さん’Sコメント
トレンドを意識したグレーのクリアータイプなら、さらに個性的に魅せることもできます。ゴールドのテンプルがフレームとのコントラストを生み出し、肌をワントーン明るく見せてくれる、美肌効果も発揮してくれますよ。
体験者:柵木あゆみさん(ホテル勤務・MC)
伊達眼鏡はファッションアイテムのひとつとして普段から取り入れていますが、ゴールドフレームをかけたのは初めてだったので、新鮮でした。クリアーフレームもかける前は奇抜な印象もあったのですが、意外と肌馴染みも良く、違和感なくかけられたので、今後挑戦してみたいと思います。
■8:大きめかつ強めフレームで印象的な目元を演出
藤さん’Sコメント
目幅が広く目が大きいタイプの方なので、顔に対して少し大きめサイズのレンズを選ぶと目の表情がより際立ちます。そして、やさしいムードをお持ちなので、今回は印象を変えるためにも、あえて強めのシェイプを選んでみました。このとき、強い印象になり過ぎず、ご本人のやわらかいイメージや色白の肌色トーンを生かすよう意識することが重要。
例えば、フォックスフレームなら黒ではなくえんじ色を選ぶ、強い印象を与えがちなスクエアフレームは、顔の角度や光量によって雰囲気を変えてくれるグラデーションがかったタイプを選ぶ、など、強弱の調子を探りながら、自分に似合う好バランスを見つけてください。
体験者:濱中舞子さん(ホテル勤務)
以前メガネを使用していたときに、「似合わない」と笑われてしまった経験があり、それから避けるようになってしまいました。正直自分ではどれが似合うのかが分からなくなってしまったのですが……実際にプロの方にフィッティングしていただいて、「メガネもいいかも!」と、自信を持つことができました。イメチェンしたりオシャレしたいときにかけてみたくなりました。
■9:「丸メガネ」で部下から憧れられる存在へ
藤さん’Sコメント
トレンディなアイテムを大人女性が格好良く着こなすと、若い部下たちからの支持率もグンと上がります。今回選んだのが、ボストンにフォックスがプラスされた、ラウンドフレームタイプのメガネです。フレームの両脇が少しつり上がったシャープなシェイプが、女性らしい魅力を引き出してくれます。
ステンレス素材をフレームに使用しているため、かけ心地が軽いだけでなく、鼻パットの跡がつきにくいという点でも、デイリーのお仕事スタイルに取り入れやすいと思います。クリアーフレームに飽きたら、カラーレンズに入れ替えて、サングラスとして使用するのもオススメです。
体験者:大塚美穂子さん(ハウスメーカー勤務)
普段は髪の毛を結ぶこともないのですが、髪の毛をまとめてメガネをするだけで、こんなに人が違ったようにスッキリ見えるなんて! びっくりしました。ワイドパンツやデニムなどをはいたときにメガネでイメージチェンジしてみたいなと思っていたので、早速、普段にも取り入れてみようと思います。
■10:コンタクトと併用するなら「アクセサリー感覚」で選んで
藤さん’Sコメント
コンタクトとメガネを併用される方も多くいらっしゃいますよね。例えばコンタクトが目にしっくりこないときや、メイクをしない日にメガネを使用するなら、あえてアクセサリー感覚で使えるカラーフレームを選ぶのもいいと思います。プライベートだけでなく仕事シーンで使うことも考えると、女性らしさを感じさせるボルドーカラーが重宝します。
こちらのメガネはシェイプ自体はシンプルですが、テンプルが細く、横からの表情も美しく魅せることができるのも特徴です。肌写りが良くなる色味でもあるので、顔色が悪いときにも頼りになりますよ。紫外線に反応する調光レンズに変更して、屋外ではサングラス、室内ではメガネとして使用するのもオススメです。
体験者:佐藤智子さん(会社員)
ドライアイのため、最近コンタクトだと目が痛くなることが多く、メガネ率が上がってきたのですが、惰性で買ったメガネだったので……実は真剣に探していました! 今回フィッティングしていただいたメガネのように、スタンダードななかにも遊び心あるデザインやカラーのものなら、デイリーにも使いやすいなと思いました。これからはファッション感覚で楽しめるメガネを増やしていきたいです。
*
以上、本記事ではPrecious.jp読者に「メガネでもっと美人になれる!」、その変化を体験していただきました。
メガネ選びでは、自分の骨格に合うものを探すだけでなく、なりたい自分を想像しながら選ぶことも大切です。使うシーンや相手からの見られ方も意識しながら選ぶと、新たな自分を見つけられそうです。
また、顔の形や目幅は十人十色。それぞれに似合うメガネは違います。「誰にでも似合うメガネは必ずあります!」というメガネプロである藤さんの意見を参考に、まずはお店で沢山のたくさんのメガネをかけて、「なりたい自分になれるメガネ」を探してみてくださいね。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 枝松則之
- STYLIST :
- 藤 裕美
- EDIT&WRITING :
- 石原あや乃