「自己中」は「自己中心的」を略した言葉です。自分本位な言動が目立ったりチームプレーが苦手だったり…協調性を大切にする日本のビジネスシーンにおいて、「自己中」な人は何かと現場に波風立てる存在です。今回は「自己中」な人の特徴や言い換え表現を解説。「付き合いが難しいな」と思われがちな彼らを理解するヒントになれば幸いです!
【目次】
【「自己中」を正しく理解するための「基礎知識」】
■意味
「自己中」は「自己中心的」の略で、読みは「ジコチュウ」。カタカナで「ジコチュー」「ジコチュウ」と書くこともあります。なにごとも自分を中心に考え、他人については考えが及ばない傾向が強い人を評して使われます。ネガティブなニュアンスの言葉なうえに、略語(俗語)ですから、ビジネスシーンでの使用は慎重にしてくださいね。
【「自己中心的な人」と言われる人の「特徴」】
では、「自己中」と言われる人の特徴を挙げてみましょう。
■他人の状況や気持ちに考慮せず、常に自分が最優先
■物事を客観視することがなく、主観的に判断・行動する
■他人の意見に耳を貸さない
■自分と意見の違う人に歩み寄ることがない
■協調性がない
「自己中」の人のいちばん大きな特徴は、「人のことは考えない」点です。そのため、対人関係に問題を抱えがちで、周囲からは少なからず「迷惑な存在」だと思われる傾向にあります。
【もう少し柔らかく言い換えると?「同義語」は?】
「自己中」と似たようなニュアンスの言葉をいくつかご紹介しましょう。
・自分本位 ・自己本位 ・ワンマン ・わがまま
・自分勝手 ・利己的 ・身勝手 ・独善的
独善的の「独善」とは、「自分だけが正しいとして、ほかを取り上げない、独りよがり」という意味です。かなりネガティブな言葉が並びますね。とはいえ、同僚や同じチームに属するスタッフ、あるいは部下など、自分がフォローしなければいけない対象に「自己中」な人がいたらどうでしょう。別の言い方でやんわり指摘したり、「よい側面」を見つけ伸ばしてあげたいと思いますよね。どんな「よい側面」がありそうでしょうか。
・ブレない軸をもっている ・周囲からの目を気にせず行動できる ・自由奔放 ・流されない
・やりたくないことがはっきりしている ・スペシャリストに向いている
「○○さんは周囲からの目を気にしない強い意志と、ぶれない軸をもっている。少々マイペースなのが気になるけど、チームの一員として頑張ってほしい」などと、やんわり助言するのはいかがでしょうか。
【使い方がわかる「例文」4選】
■1:「自己中な人が1人いるせいでチームワークが乱され、腹立たしいよ」
■2:「彼女は周囲から『自己中な人』と噂されているが、本人にはまったく自覚がないようなので、それはそれで幸せな人と言えるかもしれない」
■3:「自己中な人は常に自分の利益優先だから、組織の中で人と上手くやっていくのは難しい」
■4:「彼は自己中だからチームプレイはできないけれど、専門性の高さでは際立っている。彼の特性をうまくいかせるポジションがあればいいのだが」
【「反対語」は?】
■利他的
「利他」とは、「自分のことよりも他人の幸福を願うこと。自分を犠牲にして他人のために尽くすこと」。
■協調的
「協調」とは、「互いに協力し合うこと」。特に「利害の相反する双方が、協力して問題を解決すること」を指します。つまり「協調的」を簡単に言えば、「人と協力し合ってうまくやっていける」ことです。
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日本のビジネスシーンにおいて、周囲との協調性は評価ポイントのひとつです。一方で、自分がもし「あの人、自己中だから」と、周囲から敬遠されるようになってしまったら、寂しいですね。自己中な人のなかには、スペシャリストととしての特性を強くもった人も多いようです。上手に付き合っていきたいものですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) :