おいしい「八里半」ってなんの事?最近は特に美味ですよ!
明日・9月23日は、令和5年の『秋分の日』ですね。『秋分の日』は、国立天文台が発表する「太陽が秋分点を通過する瞬間=秋分を含む日」ですので、同じ原理の『春分の日』と並んで、年によって日付が変化し、毎年、その日が祝日となります。「秋分」と言えば、昼の長さと夜の長さがほぼ等しい半々になる時点…ということで、本日は「半」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「八里半」と呼ばれる食べ物はなに?
「八里半」と呼ばれる食べ物といえばなんでしょう? 以下の選択肢の中から正しいものを選んでください。
1:ピーナッツ
2:粒あん
3:焼き芋
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 3:焼き芋 です。
「八里半⁼焼き芋」は江戸時代から使われている言い回しで、「里」は距離を測る単位(1里≒4㎞弱)です。江戸時代は言葉遊びの文化が隆盛でしたので、当時の甘くておいしいものの代表「栗」を「九里(くり)」にたとえ、それと似た風味をもつサツマイモを「八里半」と呼んだわけです。同じ言葉遊びで、サツマイモの特産地であり、江戸からの距離が約13里の位置にある川越地域(現埼玉県)では、「九里より(四里)うまい十三里」と、サツマイモを「十三里」と呼ぶ言葉遊びも生まれました。江戸時代は焼き芋屋ののぼり旗などに、よく「八里半」「十三里」などの言葉が書かれていたようです。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「半ら半尺」ってなんと読む?
「半ら半尺」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「中途半端であること。いい加減であること。また、そのさま」という意味の言葉です。
<使用例>
「下調べもせず、半ら半尺な理解で専門家に質問するのは、失礼というものです」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 半ら半尺(なからはんじゃく) です。
「半(なか)ば」とほぼ同じ意味で使われる、ややクラシカルな言い回しが「半(なか)ら」です。「半分」「真ん中」「途中」などを意味する言葉で、「半ら半尺(なか)ら(はんじゃく)」は、そのままですと「長さが一尺の半分にも足りない」というような意味で、「中途半端であること」を指す言葉です。
「半(なか)ば」という読み方は常用漢字の範疇ですが、意外と忘れやすいので、おさらいしておきましょう。
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本日は、9月23日、令和5年の『秋分の日』にちなんで、「半」という字の入った日本語から、
・八里半(はちりはん)…焼き芋(サツマイモ)
という、古来の言葉遊び文化と、
・半ら半尺(なか)ら(はんじゃく)
の読み方などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『語源由来辞典』(株式会社ルックバイス)/国立天文台ウェブサイト/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱