「古渡り」ってなんと読む?「ふるわたり」ではありません!
明日・9月25日は『骨董の日』です。これは日本の古き良き文化のひとつである骨とう品を多くの人に愛してもらうきっかけの日に…との願いで制定された記念日で、日付は江戸時代の書物『骨董集』(山東京伝著)の記録にちなんでいます。さてみなさま、「骨董」といえば「アンティーク」という言葉で表現するイメージですが、「アンティーク」とはどんなものを指すのでしょうか?…というところで本日の1問目です。
【問題1】「アンティーク」ってどんな物?
一般的に「アンティーク」と呼ばれるものの定義として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:古道具全般
2:古美術品など価値の高い古い物品
3:100年以上前に作られた物品
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 2:古美術品など価値の高い古い物品 と 3:100年以上前に作られた物品 です。
「アンティーク」の語源は、ラテン語の「Antiquus(アンティクウス)(古い)」で、もとは古代ギリシャや古代ローマの遺物を意味する言葉でした。昨今では「骨董品」を意味する言葉として世界中で使用されておりますが、単なる古道具、骨董としての付加価値が着かないような品物は「ブロカント」と呼ばれ、価値の高いものを特に「アンティーク」と呼ぶのが通例です。また、米国の関税法では「製造された時点から100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」を「アンティーク」とし、これには関税がかからない、と定められています。こうした背景を総合すると、「アンティーク」には「古美術品など価値の高い古い物品」及び「100年以上前に作られた物品」という定義があてはまることがわかります。このふたつの解釈は並行して存在しており、双方の条件を備えたものを「アンティーク」と称するわけではありません。米国の関税法はあくまでひとつの定義ですので、制作後100年を経過しない物品であっても、文化的、美術的に価値のある古道具類は「アンティーク」と呼ばれます。
「骨董屋さん」と呼ばれるお店には、大変高価な品物と、比較的安価だけれど経年の味わいのある品物とが混在していることもございますね。前者は「アンティーク」、後者は「ブロカント」と区別するのが、一般的かと思われます。また「数十年前程度に制作された家具で、その時代らしい素材やデザインなど、付加価値のあるもの」を「ヴィンテージ家具」と呼ぶ、などの向きもございます。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「古渡り」ってなんと読む?
「古渡り」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「室町時代またはそれ以前に渡来したこと。また、その織物・器物など」を意味する言葉です。
<使用例>
「この壺の意匠は…もしかして、古渡りの、大変貴重なものかもしれません!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 「古渡り(こわた)り 」です。
「古渡り(こわた))」に対し、「今渡り(いまわ)り」と言えば「江戸時代以降に舶来したこと。また、その織物や陶磁器など」を指します。
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本日は、9月25日『骨董の日』にちなんで、
・アンティーク
という言葉の、現在の一般的な定義と、
・古渡(こわた)り
の読み方、意味などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/西洋アンティーク鑑定検定試験協会公式blog/アンティーク家具専門店Handleウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱