「雲丹和」ってなんと読む?「うんたんわ」?…いいえ、上品なお料理ですよ!

明日・9月26日は、ギリシャ生まれのイギリス人で、日本に帰化した作家、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲の忌日『八雲忌』です。若い時代は米国で新聞記者をした彼は、取材力が高く、翻訳だけでなく、紀行文や民話の再話文学など、多くの著作を残し、日本文化を世界に紹介しました。代表作『怪談』は、日本各地に伝わる怪奇伝説に独自の解釈を加えた文学作品として大変有名です。ということで、本日は「八」「雲」という字の入った、意外な読み方が面白い日本語のクイズをお送りします。

【問題1】「四方八方(よ○○〇)」ってなんと読む?

「四方八方」の読み方として正しくなるよう、「よ○○○」の○に、それぞれ、かな1文字ずつを入れてください。

ヒント:意味は「四方八方(しほうはっぽう)」と同じで「あらゆる方面。諸方」です。

<使用例>

「『怪談』は、もとは外国人だった人が、日本全国、四方八方に散っている民話を集めて再構成した、という意味でもおもしろい本ね」

○○○に入る、それぞれの「かな」は?
○○○に入る、それぞれの「かな」は?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 四方八方(よもやも) です。

「方」という感じに「も」という読み仮名はございませんが、慣用読みとして残っております。
「方」という感じに「も」という読み仮名はございませんが、慣用読みとして残っております。

「世間の、種々雑多な話」を意味する言葉に「よもやま話」がございますが、「よもやま」を漢字表記にすると「四方山」となります。「四方八方(しほうはっぽう)」というと、「あちらこちら」の「方角」のイメージが強いですが、「四方八方(よもやも)」ですと、もとの意味は同じですが、「あらゆる方向性」というようなイメージになりますね。

さて、2問目は、「雲」の入った、こちらも意外な読み方をする熟語です。

【問題2】「雲丹和」ってなんと読む?

「雲丹和」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:大人の味です。

<使用例>

「平目の雲丹和とは、今夜のおつまみは、ずいぶん豪勢ね」

かな4文字です。
かな4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 雲丹和(うにあえ) です。

雲丹(うに)を、酒やみりんでのばして、具材をあえたメニューです。

「雲丹和」…和食屋さんのお品書きで見れば「『うにあえ』ね!」とピンと来ると思いますが、いきなり漢字だけ見ると「なんのこと?」と混乱した方も多いのでは? ちなみに「うに」の漢字表記には一般的に使い分けがあり、生のものは「海栗」「海胆」、加工したものは「雲丹」と表記するのが通例です。

***

本日は、9月26日、作家・小泉八雲の忌日『八雲忌』にちなんで、「八」「雲」という字の入った日本語から、

・四方八方(よもやも)

・雲丹和(うにあえ)

などの読み方、言葉の背景をおさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/小泉八雲記念館ウェブサイト/国立国会図書館ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱