「物数寄」ってなんと読む?「ぶっすうき」ではありませんよ!
明日・9月27日は、国連が定めた国際デーのひとつ『World Tourism Day(世界観光の日)』です。折しも現在、世界中から日本に多くの観光客が集まっていますね。昨今では、もともと有名な観光地以外にも、意外な人気を博す場所もあるようです。特に、漫画やアニメなどのエンタテイメント・コンテンツに登場した実在の場所などは、地元の方には「観光」の意識が薄いことも多く、「なぜか観光客がやってくる謎の場所」になっているかもしれません。一度、お住いの地域を扱っているコンテンツがないか、調べてみると良いかもしれませんね。
…というところで、本日の1問目です。
【問題1】「物数寄」ってなんと読む?
「物数寄」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「ものごとに特別の趣向をこらすこと」「好奇心が強いこと」「普通と違ったものごとを好むこと」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「こんな地味な街に観光なんて物数寄な、と思ったけれど、なるほど、アニメ映画に描かれていたのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 物数寄(ものずき) です。
「数寄(すき)」という言葉は「風流・風雅に心を寄せること」を意味します。「物好き」と書くと「珍奇な趣味の人」というイメージにもなりかねませんが、「物数寄(ものずき)」と書けば、肯定的に対象を認めるイメージになります。大人の表記としてぜひ使いこなしてください。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「物見遊山」ってなんと読む?
「物見遊山」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「気晴らしに見物や遊びに行くこと」という意味の言葉です。
<使用例>
「1か月間、物見遊山のし放題だなんて、本当にうらやましいわ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 物見遊山(ものみゆさん) です。
「物見遊山(ものみゆさん)」は、観光旅行など、楽しい旅をイメージさせる四字熟語として定番ですので、使えるようにしておきたい言葉です。「物見(ものみ)」は文字通り「物を見る=見物すること」です。「遊山(ゆさん)」は、現在では「気晴らしに出かけること。山野で遊ぶこと」という意味で使われますが、もとは仏教用語で「修行を終えたあと、他山(ほかの寺)へと修行遍歴の旅をすること」を意味していました。ですので、ただ浮かれ遊ぶ、というよりは、知的好奇心を満たすことも兼ねて出かける…というような、ポジティブなイメージを伴う熟語です。
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本日は、9月27日『World Tourism Day(世界観光の日)』にちなんで、
・物数寄(ものずき)
・物見遊山(ものみゆさん)
という日本語の読み方や、言葉の背景をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/国連世界観光機関中日事務所ウェブサイト/『語源由来辞典』(株式会社ルックバイス)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱