「神無月」「神在月」「神来月」…「10月」の異名はどれ?
明日・9月29日は、令和5年の「仲秋の名月」が見られる日です。「仲秋の名月」は、秋の、月のきれいな季節とされる時期「陰暦8月」の「十五夜」のこと。お月見をする風習がございますね。お月見といえば満月のイメージが強いですが、実は、「十五夜」の夜が必ずしも満月と重なるわけではありません。ですが、2021年、2022年と、今年・2023年は、3年続けて「仲秋の名月」が満月に重なる暦(こよみ)となっております。明日の満月を過ぎると、次に「中秋の名月」と満月が重なる日は、7年後の2030年までありません。明日、美しいフルムーンを堪能できると良いですね。
本日は「月」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「閑日月」ってなんと読む?
「閑日月」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「これと言ってなすことなく過ごす月日」「心にゆとりがあり、ゆったりしていること」などを意味する言葉です。
<使用例>
「父は会社を退きまして、現在は閑日月を楽しんでいるようです」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 閑日月(かんじつげつ) です。
「閑日月(かんじつげつ)」は、俗世間から離れてゆったりとした様子や月日を表す言葉です。類語に「有閑」などがございますが、より風流なイメージの言葉ですので、大人の語彙としてストックしておきたいですね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「陰暦10月」の異名はどれ?
以下の選択肢の中から「陰暦10月」の異名を選んでください。
1:神無月
2:神在月
3:神来月
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 1:神無月 と 2:神在月 です。
「神無月(かみなづき/かんなづき/かみなしづき/かむなづき)」は、文字通り「神さまがいらっしゃらない月」という意味で、「陰暦10月」の異名です。では、この月だけいらっしゃらない神さまがどちらにおわすのかと言えば、古くからの伝承で、出雲大社に集まっていらっしゃる…と伝えられています。ですので、出雲(いずも。現在の島根県の一部)以外の地域では、神さまが出雲大社に出かけられた、神不在の月という意味で「神無月」と表現します。
一方、「神在月(かみありづき)」は、出雲地方のみで使われる「陰暦10月」の異名で、諸国の神さまが出雲大社に集結する月であることを意味しています。そして、「神来月(かみきづき)」は、「出雲大社に出かけていた神さまが戻って来られる月」という意味で、「陰暦11月」を指す言葉です。「神帰り月(かみかえりづき)」とも言います。
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本日は、9月29日、令和5年の「仲秋の名月」にちなんで、「月」という字の入った日本語から、
・閑日月(かんじつげつ)
の読み方と、
・陰暦10月の異名
をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/tenki.jp(日本気象協会)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱