「食中り」ってなんと読む?「しょくちゅうり」ではありませんよ!
みなさま、秋の三連休、どのようにお過ごしでしょうか? 明日は三連休の中日、ということで、本日は「中」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「食中り」って何と読む?
「食中り」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:今年は残暑が厳しいので、秋でもこれが心配されていますね。
<使用例>
「食中りかと思ったら、腹痛を起こすタイプの風邪だと診断されたわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… しょくあたり です。
「あたる」には「当(あ)たる」という表記もございますが、「中(あ)たる」と表記した場合の意味は、「的中・命中する」「中毒する。身体にさしさわる」の、主に二通りです。「食中り(しょくあた)り」は、この表記が妥当です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「大百日」ってなんと読む?
「大百日」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:歌舞伎に用いるかつらの一種で、男性の髪型の月代(さかやき)の毛が、百日剃らないほどにのびている形状のものです。大泥棒キャラクターとしてお馴染みの石川五右衛門などに使われるかつらです。
<使用例>
「大百日は、盗賊や妖術使いなど、無頼漢の役に使われるのよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… おおびゃくにち です。
「大百日(おおびゃくにち)」は、「大百(だいびゃく)」とも訳されます。短縮形だと、訓読みの「おお」ではなく、音読みの「ダイ」になるところもおもしろいですね。月代(さかやき)の毛がかなり長くのびた、大胆な無法者・大悪党をイメージさせるかつらです。これより月代(さかやき)の毛がやや短いものは「百日鬘(ひゃくにちかずら)」、さらに短めなものは「五十日(ごじゅうにち)」と呼びます。月代(さかやき)の毛がきちんと剃られているか否か、また、その毛ののび具合で「男性の無法者ぶり」を表す…和文化の歴史にのっとった、大変興味深い表現です。
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本日は、「中」という字の入った日本語から、
・食中り「(しょくあた)り」
・大百日 「おおびゃくにち」
の読み方、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱