あなたの職場に「責任感が強い人」はいますか? あなた自身は「責任感がある」ほうでしょうか? 今回は、「責任感」のメリットやデメリットなどを解説します。

【目次】

「責任感」は強ければ強いほうがいい?
「責任感」は強ければ強いほうがいい?

【正しく使えてる?「責任感」の基礎知識】

まずは「責任」という言葉の意味を正しく理解しましょう。

(1)立場上、当然負わなければならない任務や義務のこと。「課外授業における教師には引率者としての責任がある」「担当者として精一杯の責任を果たさなければならない」

(2)自分のした事の結果について責めを負うこと。特に、失敗や損失による責めを負うこと。「事故の責任をとる」「責任転嫁」

(3)法律上の不利益、または制裁を負わされること。特に、違法な行為をした者が法律上の制裁を受ける負担をいう。

一般的には(1)や(2)の意味で用いられます。

「○○感」もよく使うフレーズでは? この「感」という語の意味も確認しましょう。

(1) 深く心が動くこと。感動。「感に入(い)る」

(2)物事に接して生ずる心の動き。感じ。「今さらの感は否めない」「隔世の感」「親近感」

(3)その物事の様子。「安定感」「重厚感」

今回学ぶ「責任感」の「感」は(2)に当てはまります。また、「やった感」「まったり感」「透け感」など、名詞以外の後に付いて用いることも多いでしょう。

要するに「責任感」とは、「自分の責任を重んじる感情」「自分の仕事や行為についての責任を果たそうとする気持ち」のことなのです。

■使い方

「責任感がある」「責任感がない」「責任感が強い」「責任感に欠ける」というように有無や強弱などを示したり、「責任感による」「責任感から」というようにも使います。


【ビジネスシーンでの「責任感」とは?「メリット」と「デメリット」】

ビジネスシーンでの「責任感」とは、自分が担当する仕事やすべきこと、受け持った任務などを途中で放り出さずにやり遂げようとする気持ちや思考のこと。そのメリットとデメリットも確認しましょう。

■ビジネスシーンにおける「責任感」のメリット

例えば、「責任感が強い人」はミスや失敗があっても投げ出さず、諦めず、挫けず、完遂しようとします。それが失敗に終わっても、その姿勢は他者の信頼を得るに値するでしょう。こういうタイプの人がチームにいると結束力が高まり、助け合いも生まれ、みんなが当事者意識をもって仕事をするようになります。

■ビジネスシーンにおける「責任感」のデメリット

「責任感がない人」「責任感に欠ける人」が、他者からの信頼が低いのは当然ですが、「責任感」もデメリットになることがあります。「責任感が強い人」は自分を追い込みがちです。無理をして体を壊したり、周囲に無理を強要する場合も。スキルやキャパシティ、生活環境には個人差があるので、“それぞれが可能な範囲で責任感をもって取り組む〟というムードが大切でしょう。「責任感は他者に強要するものではない」と認識することが大切。責任感が強い」ことは長所として評価されがちですが、短所やデメリットとなる側面もあるので気をつけたいものです。


【「責任感」を正しく使うための「例文」5選】

■1:「責任感が強い人は、他者と衝突することも多くなる」

■2:「学生時代に運動部のマネジャーを務めた経験があり、責任感はひと一倍強いと自負しています」

■3:「面接では責任感が強いことをアピールすべきです」

■4:「責任感の強さと誠実さは比例するようだ」

■5:「全員が当事者意識をもつことで、責任感や一体感が高まる」


【「責任感」を言い換えるとどうなる?

「責任感」の類語や言い換え表現には下記のようなものがあります。

・使命感:与えられた任務を成し遂げようとする気概や責任感。特に、その任務に格別の意義と誇りをもってあたる場合の感情をいう。「彼女は誰よりも使命感が強い」「使命感に駆られる」

・真面目:いい加減なところがなく誠実なさま。

・誠実:私利私欲を交えず、真心をもって人や物事に対すること。また、そのさま。「誠実な仕事ぶりが評価された」

「正義感」「義侠心」「リーダーシップ」なども、似たニュアンスで使われる言葉です。


【「英語」で「責任感」はこう表現します】

「責任」は英語で[responsibility]といい、「責任感」は[a sense of responsibility]となります。

・He has a no sense of responsibility.(彼は責任感がない)

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どんなシーンでも「責任感」はもっておきたいですが、それが強いゆえ心身に不調をきたしては本末転倒。また、部下や仲間であっても他者に強要すべきことではありません。仕事でも家庭でも、自分だけ、誰かだけではなく、それぞれができる範囲で責任感を持って取り組むのが健全なのでしょう。

この記事の執筆者
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