「香色」ってどんな色?お花、お線香、イメージ…何を表した色でしょう?

明日・11月5日は『お香文化の日』です。日付は11(いい)5(お香)の語呂合わせで、愛知県薫物線香商組合が制定しました。お香は『日本書紀』や『枕草子』、『源氏物語』など、日本古来の名作にも登場するほど、長い歴史があります。線香、匂い袋、練香、香木といった数々のお香と、それにまつわる周辺文化の普及促進、そして記念日をきっかけにお香文化に触れてほしい…との願いが込められています。ということで、本日は「香り」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。

【問題1】「馥郁」ってなんと読む?

「馥郁」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「よい香りが漂っているさま」という意味の言葉です。

<使用例>

「お部屋に入ったとたん、馥郁たる花の香りに、心が癒されました」

かな4文字です。
かな4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 馥郁(ふくいく) です。

「よい香り」を表現する古来の言い回しです。
「よい香り」を表現する古来の言い回しです。

「よい香りですね」と言うより、「馥郁(ふくいく)たる香りですね」と表現するほうが、知的で物柔らかなイメージですね。大人の語彙としてぜひ使いこなしたい言葉です。

さて、2問目にまいりましょう。

【問題2】「香色」ってどんな色?

和の伝統色「香色(こういろ)」とは、どんな色でしょうか? 次の画像の中から選んでください。

和の伝統色「香色(こういろ)」はどれ?
和の伝統色「香色(こういろ)」はどれ?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… ② です。

香木のひとつである丁子(ちょうじ)で染めた色です。

「香色(こういろ)」の染料は丁子(ちょうじ=クローブ)ですので、「丁子色(ちょうじいろ)」とも言います。色味は「黄味をおびた薄赤色」で、現代風に言えば「温かみのある明るめのピンクベージュ」という感じでしょうか? 平安時代など、香木である丁子は大変高価な植物でしたので、「香色(こういろ)」は、貴族などしか身に着けることのできない高貴な色でした。和のアイテムの色味を表現するときなど、「香色(こういろ)」という言葉が自然に使えると素敵ですね。

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本日は、11月5日『お香文化の日』などにちなんで、「香り」をキーワードにした日本語から、

・馥郁(ふくいく)

の読み方と、

・香色(こういろ)

の色味などをおさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『和色大辞典』ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱