「門外漢」という言葉を使ったことはありますか? 意味は、「門の外の人」という漢字から、連想できるかもしれませんね。「ある分野について専門でない人」を指す言葉です。今回は「門外漢」について、その意味や使い方、類語や対義語、英語表現について解説します。
【目次】
【「門外漢」とは?「読み方」と「意味」】
■「読み方」
「門外漢」は「もんがいかん」と読みます。
■「意味」
「門外漢」は「そのものごとについて専門家でない人」や「畑違いの人」を指す言葉です。「門」という言葉には「出入り口」という意味のほか、「弟子となって教えを受ける所」や「ひとりの師を中心とする一派・流れ」という意味があります。ここから「門外漢」は、「弟子となり、教えを受けていない人」「専門的に学んでいない人」という意味合いになったようです。
■「語源」は男性ですが…今は女性にも使えます!
「漢」という文字は、「中国」や中国語」「中国人」の呼称であるほか、「男性」を示す言葉でもありました。「悪漢」「巨漢」「好漢」などが、それぞれ「悪事を働く男」、「大男」「好ましい男」を意味するのは、この流れです。とはいえ現在では広く「人」を表すと解釈され、「門外漢」は男性だけでなく、女性に対しても使われています。
【使い方がわかる「例文」】
「〜できない」理由について説明する際に「門外漢」という言葉はしばしば使われます。
■1:「私は医学について門外漢のため、彼女の主張については否定も肯定もしない立場だ」
■2:「門外漢の人間から見ると、お気楽な道楽のような趣味だが、実際にやってみると奥が深く、苦労もあるのだろう」
■3:「友人に誘われてアメフトの試合を観戦したが、門外漢の私には何が起こっているのか、さっぱりわからなかった」
周囲に対し、「自分はあまり詳しくない」と謙遜する際にも、「門外漢」は使われます。あくまで「謙遜」ですから、自分以外の人を「門外漢」と表現するのは控えましょう。
■4:「門外漢の私から申し上げるのも僭越ですが、今回に関しては○○さんの意見がもっともであるように思われます」
■5:「新たにプロジェクトに加わりました○○です。門外漢にて恐縮ですが、ご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします」
【「類語」「言い換え表現」】
あまり日常では見聞きしない「門外漢」と言う言葉。もっとわかりやすい言葉に言い換えてみましょう。
■類語
・専門外
・畑違い
「畑」には「専門とする領域・分野」という意味があり、「彼は法律畑の出身だよ」のように使われます。
・素人
「素人」とは「その事に経験が浅く、未熟な人」「その道で必要な技能や知識をもっていない人」のこと。また、「その事を職業・専門としていない人」を指します。
・局外者
「今、問題になっている事柄に直接関係がない人」のことを「局外者」といいます。
・アウトサイダー
直訳は「局外者」。特定のグループや派、党などに属さない「局外者」や「第三者」という意味のほか、社会からの「孤立者」「異端者」といった意味も含みます。
■言い換え表現
・「〜については専門外だ」
・「〜について詳しくない」
・「〜に直接関係ない」
■「対義語」
では「門外漢」と反対の意味をもつ言葉をいくつかご紹介しましょう。
■専門家
■達人
■玄人
「玄人」は「素人」の対義語でもありますね。「技芸などに熟達した人」や「あるひとつの事を職業、専門としている人」を指す言葉です。
■スペシャリスト
「スペシャリスト」は「特定分野を専門にする人」や「特殊技能をもつ人」を指します。
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専門性の高さが重要なシーンでは、「門外漢」は自分のことを説明したり謙遜したりするのに向いた言葉です。ただし、使う相手によっては口頭で「もんがいかん」と言っても、真意が伝わりにくいかもしれません。その際は「専門外である私が言うのも恐縮ですが…」など、言い換えたほうがいいかもしれませんね。臨機応変な使い方ができるのも、「大人の語彙力」のひとつです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部