普段のパスタの食べ方、ちょっと見直してみませんか? ちょっとした気づきが得られるかもしれません。ロングパスタ、ショートパスタ、スープパスタ、そして具の扱い方などを、ヒロコマナーグループFAST MANNERのマナー講師の方にアドバイスいただきました。
■1:ロングパスタの正しい食べ方
一般的な紐状のロングパスタ。当たり前のように食べているその所作が、実は、あまりエレガントではないことも…。
そこで、ヒロコマナーグループFAST MANNERのマナー講師の方に、まずはロングパスタの基本的な正しい食べ方を教えていただきましょう。
ロングパスタを「フォークだけ」でエレガントにいただくポイント
「一度にたくさん巻き付けると、口に入れるのに苦労します。また巻き付けたものを2回以上に分けて食べることはNG。一度に口に入れられるだけの分量を見極めることがポイントです。無難な目安としては3本~5本程度をとり、お皿の中の、手前のほうでフォークに巻き付けます」
ロングパスタを「スプーンも使って」エレガントにいただくポイント
「基本的にフォークだけでいただくのと同様にいただきます。ただし、日本で見受けられるスプーンとフォークで食べるスタイルは、エレガントか否かという以前に、本国のイタリア人からするとテーブルマナーに反しているといわれています。テーブルにフォークのみセッティングされていた場合には、フォークのみで食べるべきでしょう」
■2:ショートパスタとスープパスタの正しい食べ方
ペンネなどのショートパスタや、ラザニアのような板状パスタは、どのような食べ方マナーがあるのでしょうか。
ショートパスタやラザニアをエレガントにいただくポイント
「オレキエッテ(*1)やトロフィエ(*2)などのショートパスタの場合は、フォークを右手に持って、突き刺して食べて良いでしょう。ラザニアもフォークでひと口大に切り分けながら食べます。ステーキのようにナイフで切りながら食べても良いです。フォークの背にパスタを乗せていただく必要はありません」
スープパスタをエレガントにいただくポイント
「スープパスタのパスタは、ロングパスタの食べ方と同様。スープをいただくときは、右手にスプーンを持って、スープをすくい、スプーンの先のほうから口の中に入れます。スープをたらさないように、すくう量は、少なめが安心。スプーンは基本的に口に入るサイズでつくられていますので、口の中に入れて構いません。スプーンの先に口をつけて、ズズズと流し込むことはエレガントとはいえません」
■3:貝やエビなどの具の扱い方
パスタをいただくときに、貝や殻付きエビなどの具の扱いに困ったことはありませんか? 正しい方法を教えていただきましょう。
「フィンガーボウルと共に供された場合には、手を使って食べてくださいというメッセージなので、迷わず手を使うのが正解です。ただ単に、貝をフォークやナイフで供されたスタイルでしたら、フォークで殻をおさえて、ナイフで身を取り出します。殻は殻入れへ。それがない場合はお皿の左上奥に置きましょう。
エビは、まずフォークで押さえながらナイフで頭を切り離し、次に胴の真ん中、脚の間にフォークをさし、ナイフは脚の内側から、殻と身の間に入れる要領で殻を外します。頭、殻、脚は、お皿の左上奥へ置きます。身は左からフォークで固定しながらナイフでひと口大に切り、フォークで口に運びます。
また、具とパスタを分けて食べたほうがいいのか、それとも一緒に食べたほうがいいのか迷う方もいるでしょう。一般的に、料理人の方は具とパスタを一緒に食べて欲しいという考えの方が多くいらっしゃいます。具とパスタのバランスを計算してつくっているからです。上手にバランスよく具をパスタに絡めていただくとよいでしょう」
■4:パスタは愉しく、おいしく食べることが一番のマナー
パスタには、意外と細かい食べ方マナーがあることが分かりました。しかし、ヒロコマナーグループのマナー講師の方によると、細かい食べ方を気にしすぎることはないといいます。
「基本的に、食事マナーはフォークやナイフを相手に向けるなどのよほどのことでない限り、NGマナーなどはないのです。特にイタリア料理のパスタなどでは。みんなと愉しく、おいしく食べることが一番のマナーです。具が多いパスタの場合も、自分がおいしく食べたいように食べること。また、シェフがこう食べて欲しいという要望があればそれに則る食べ方をすること。これが本来のマナーとなります」
パスタは、よりエレガントにいただきたいものです。でも、本来の楽しさやおいしさを味わうマナーも決して忘れないようにしたいですね。
ヒロコマナーグループ ファストマナースクール
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利