「妖冶」ってなんと読む?「ようじ」ではありませんよ!
明日・11月30日は、『ゲゲゲの鬼太郎』の作者で、日本の妖怪研究の第一人者でもあった、漫画家・水木しげる氏の忌日『ゲゲゲ忌』です。現在、水木氏の生誕100周年のアニバーサリー作品となる映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』も公開中ですね。時代を超えて何本ものアニメーションシリーズが放映されてきた『ゲゲゲの鬼太郎』、みなさまにも、お気に入りのキャラクターや妖怪がいるのではないでしょうか? ということで本日は「妖」「怪」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「妖冶」ってなんと読む?
「妖冶」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「なまめかしくてあでやかなこと。また、そのさま」という意味の言葉です。
<使用例>
「鬼太郎は凛々しい男の子だけれど、ときに妖冶に見える瞬間があって、子ども心にドキドキしたわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 妖冶(ようや) です。
「妖冶(ようや)」の「冶(ヤ)」は、「冶金(やきん)」などに使われる「冶(い)る」とも読む字です。この字は「ヤ」という音読みのみ、常用漢字の範疇となっております。「溶かす。溶ける。金属を精錬する」という意味のほか、「なまめく」という意味ももつ字です。類語の「妖艶」という言葉もインパクトが強いですが、「妖冶(ようや)」は金属的な硬質な輝きも感じさせる、という点で、また違うおもむきも感じさせる表現ですので、大人の語彙としてストックしておくと素敵ですね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「怪態」ってなんと読む?
「怪態」という日本語の読み方として正しくなるよう、「〇っ〇〇」の〇に、それぞれかな1文字ずつ入れて完成させてください。
ヒント:「しゃくにさわるさま」「奇妙・不思議なさま」「縁起」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「ほんま、妖怪に化かされたんか? と思うような、怪態な話ですわ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 怪態(けったい) です。
「怪態(けったい)」は、「卦体/怪態(けたい)」が音変化した読み方で、もとは、易(占い)の算木(さんぎ)にあらわれた形を意味する言葉でした。「占いの結果」という意味が転じて「縁起」や、それが悪くて「しゃくにさわる」、また、それ自体が「奇妙・不思議である」という意味でも使われるようになりました。浄瑠璃や歌舞伎にも「けたい」「けったい」という言葉が登場します。軽い方言のように見えて、実は歴史のある言葉なのです。
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本日は、11月30日、水木しげる氏の忌日『ゲゲゲ忌』にちなんで、「妖」「怪」という字の入った日本語から、
・妖冶(ようや)
・怪態(けったい)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』公式サイト/鳥取県公式サイト/調布市ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱