「薄味で淡泊な料理」ってどんな料理? 「淡泊な性格」って? 「淡泊」という単語、なんとなく理解しているつもりだけれど、具体的に説明しにくい言葉かもしれません。今回はこの「淡泊」について解説します。

【目次】

「淡泊な人」といわれて喜べますか?
「淡泊な人」と言われて喜べますか?

【「淡白」「淡泊」どっちが正解?「読み方」「意味」など基礎知識】

■読み方

「淡泊」は「たんぱく」と読みます。

■ 意味

下記のようにふたつの意味で使われます。

1)味・色・感じなどが、あっさりしていること。また、そのさま。「淡泊な味」

2)性格や態度がさっぱりしていること。こだわりやしつこさがないこと。また、そのさま。「金銭に淡泊な人」

■「淡白」は間違い?

実は「淡泊」も「淡白」どちらも正解です。もともと「淡」といういう字には、「味が薄い」「色が薄い」「あっさりしている」「つまらない」という意味が。「白」にも「泊」にも「薄い」という意味があります。「淡白」でも「淡泊」でも同じ意味を示し、現代用語ではどちらを使用しても構いません。


【「使い方」がわかる「例文」5選】

■1:「淡泊な味付けながら、満足度が高い料理だ」

■2:「彼の温厚で淡泊な性格に癒される人は多い」

■3:「自覚はないが、淡泊な性格だといよくいわれる」

■4:「淡泊な色合いのインテリアで落ち着く部屋だ」

■5:「彼ほどお金に淡泊な人もいない」


【「淡泊」の「類語」「対義語」】

■類語

・希薄 ・からっと ・さっぱり ・さばさば・ あっさり ・淡々とした ・頓着しない ・こだわらない

■対義語

・濃厚 ・暑苦しい ・うっとおしい

「淡泊な人」は付き合いやすい人といえるかもしれません。次に、そんな人の特徴を見てみましょう。


【「淡泊な人」の特徴】

■気分の浮き沈みが少ない

喜びも悲しみも表に出にくく、テンションは低めです。本人は喜んでいるつもりでも他人には伝わりにくいので、「もしかしたら迷惑だった?」などと不安がらせてしまうことも。

■積極性に欠ける

「淡泊」な人はこだわりが弱いのです。興味がないわけではないのに、他者と比べると積極性に欠けるため、つまらない人だと思われがちです。

■感情的になりにくい

理論的に物事を考える傾向にあるので、カッとなったり、口論になることは少ないでしょう。冷たい人だと思われることがあるかもしれません。

■嫉妬しない、羨まない

「淡泊」という単語は、恋愛や性的関心についても使われます。恋愛に「淡泊」だと浮気をしない、嫉妬しないという人が多いよう。また、人を羨んだりすることも少ないようです。


【「淡泊」は英語でどういう?】

「淡泊」を英語で表記すると、[lightly][soft][frank][indifferent]などが当てはまります。

・a lightly seasoned dish(淡泊な味の料理)

・She wore a dress of soft colors.(彼女は淡泊な色合いの服を着ていた)

・He is easy to get along with because of his frank disposition.(彼は淡泊な気性だから付き合いやすい)

・He is indifferent to money.(彼は金銭に淡泊だ)

***

「淡泊」であることも個性のひとつです。人に興味をもちすぎることでトラブルが起こりがちな昨今、好感度が高く、評価されるべき性格ともいえるでしょう。とはいえ、対人関係ではコミュニケーション不足にならないよう、注意したいものですね。

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