あなたの周囲に「我が強い」人はいますか? 「我が強い」人は他人の気持ちや状況などに配慮せず、自分の思いを通そうとする気持ちが強いため、トラブルメーカーになりがち。そのため、周囲から敬遠される傾向にあるようです。今回は「我が強い人」の特徴や「主体性がある」「芯が強い」人との違い、そして「我が強い人との付き合い方」について解説します。
【目次】
【「我が強い」を深く理解するための「基礎知識」】
■読み方
「我が強い」は「ががつよい」と読みます。「われがつよい」ではありませんよ。
■意味
「強情」であったり「意地っ張り」なことを「我が強い」と言います。ほかの人の気持ちや状況などを考慮せず、自分の思いを通そうとする気持ちが強い人は周囲と衝突しがち。トラブルメーカーといわれるタイプの人も「我が強い人」が多いようです。決して「ほめ言葉」とは言えませんね!
■そもそも「我」って何?
「我」は音読みで「が」、訓読みで「われ」。「私」を表す一人称の代名詞でもありますが、この文字自体、鋸刃(のこぎりば)の刃物の象形で「自分の姿」を表しています。『日本国語大辞典』を検索してみましょう。
1)仏教用語。人間の個体全体。また、その個体の中心生命。存在の構成要素としての実体。
2)考えや決意などを固く守り抜こうとする心。意地。
3)自分勝手なことを主張して、人に従おうとしない心。わがまま。我意。
4)認識、意志、行動の主体として、他から区別される自分。自我。
「人に従わないこと」を「我を通す」と言いますね。
【「反対語」は?】
「我が強い」のイメージをさらに明確にするために、「反対語」をご紹介しましょう。「我が弱い」という表現はありませんので、注意してくださいね。
■1従順:おとなしくて人の言うことをよく聞くこと
■2協調的:自分と違う意見をもった人と、力を合わせ助け合い行動できる性格
■3付和雷同:一定の主義・主張がなく、安易に他の説に賛成すること。
【「我が強い」と言われがちな人の特徴】
「我が強い」と言われる人には、どのような特徴があるでしょうか。
■自己主張が強く、わがまま
■他人の意見を聞かず、頑固
■自分勝手
■周囲と衝突しがち
■負けず嫌い
■価値基準は常に「私」
■「暗黙のルール」は通用しない
■言葉や表現がキツい
■プライドが高い
■感情的になりがち
【「主体性がある」「意思が強い」「芯が強い」と何が違う?】
「我が強い」人の特徴は、「主体性がある」や「意志が強い」と、どのようなニュアンスの違いがあるのでしょうか。
■「主体性がある」とは
「主体性」とは「自分の意志・判断で行動しようとする態度」のこと。
■「意思が強い」とは
「何事かをしようとする考え。思い」を「意思」と言います。周囲に左右されず、自分が決めたことをやり通す強さがあることを「意思が強い」と表現します。
■「芯が強い」とは
「芯が強い」の「芯」は「心」とも記します。「心」とは「精神」のこと。内部の奥深いところにあって「重要な役割をになう部分」です。「心の強さ」と言い換えることができます。
■「違い」は?
前述の通り、「我」には「考えや決意などを固く守り抜こうとする心。意地」という意味があります。この点では「我」と「主体性」や「意思の強さ」、「芯の強さ」は共通した意味をもっています。ただし、その強さが「周囲への配慮に欠ける」「自分勝手」「人に意見に耳を貸さない」など、ネガティブな要素を伴う場合、「我が強い」と表現されます。
【「我が強い」人との付き合い方】
短所ばかりに目に行きがちな「我が強い人」ですが、裏を返せば「“自分”をしっかりもっている」「強い信念がある」「周囲に流されない」人とも言えます。コミュニケーションにおいても、「気が強く負けず嫌い」な面が強調されがちですが、内面的には実は、自分に自信がもてなかったり、自己顕示欲が高く孤立するのを恐れるような一面も。揉め事の原因となることも多いため、正直なところ距離を置きたい存在ですが、仕事上、付き合いを避けられない場合は、どうしたらよいでしょうか。
■議論には付き合わない
討論になると、相手をいい負かすまで話が終わらないのが「我の強い」人の特徴。「意見が合わないな」と感じたり、議論をふっかけられそうになったら、「そうかもしれないわね」とお茶を濁して、さっと話を終わらせましょう。さりげなく話題を変えてみてもいいですね。
■とりあえず意見を肯定する
プライドが高く、自己顕示欲も高い「我の強い人」が我慢できないのは、自分を否定されること。仕事に影響を与えるような案件でない限り、とりあえず「そうよね」「すごいわー」などの言葉で相手を肯定しておくのがベスト。どうしても自分の意見を伝えなくてはいけない場合は、最後に「〜と思うんだけど、どうかな?」など、相手の意思をうかがうかたちにすると話が円満に進みます。
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「我が強い人」のなかには、激情的な人も少なくなく、討論になると相手を言い負かしたと思えるまで強い口調で責めてくるので、受け手となった人はぐったり疲れてしまいます。言い返すと議論がエスカレートするので、決して張り合おうとはせず、「負けるが勝ち」の精神で冷静な対応を心掛けましょう。あなたの大切な心を、こんなことで傷つけてはいけません!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『字通』(平凡社) /『新選漢和辞典Web版』(小学館) /『角川類語新辞典』(角川書店) :