「茶羽織」ってどんな羽織?正しく理解していますか?
明日、2月6日は『抹茶の日』です。抹茶と言えば「茶道」、ということで、茶道で釜をかけて湯を沸かす道具「風炉(ふろ)」を26の数字にかけた語呂合わせで制定、更に多くの人に抹茶を味わってもらう…という目標を掲げた記念日です。抹茶と言えば、お茶そのものはもちろん、昨今では抹茶フレーバーのスイーツなども世界的に人気を博している、日本の誇る飲食文化ですね。ということで、本日は「茶」という字の入った、意味を間違いやすい日本語をクイズでおさらいします。
【問題1】「茶羽織」ってどういう羽織?
「茶羽織(ちゃばおり)」の説明として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:茶色い羽織
2:丈の短い婦人用の羽織
3:男性の日常着用の羽織
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 2:丈の短い婦人用の羽織 です。
「茶羽織(ちゃばおり)」とは、もとは、茶人が茶の湯の際にほこりよけに着たとされる短い羽織を指していましたが、その後、同じように短い丈の、まちを付けず、共布(ともぬの)の紐を付けた女性用の羽織を指す言葉に変化しました。外出着としての羽織は、羽織の布とは別に、組み紐などで作った「羽織紐(はおりひも)」を装着しておめかししますので、「茶羽織(ちゃばおり)」は、これより簡素な形のものです。また、通常、羽織には一反分の布を使いますが、「茶羽織(ちゃばおり)」は半反で作れるので、「半反羽織(はんたんばおり)」とも呼ばれます。「茶色い羽織」のことではなく、「茶人の着る羽織」という意味で「茶羽織(ちゃばおり)」です。ご注意くださいね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「純喫茶」ってどういうお店?
「純喫茶」の説明として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:酒類を扱わない喫茶店
2:明治時代風の喫茶店
3:食事メニューのない喫茶店
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 1:お酒を扱わない喫茶店 です。
「純喫茶」を辞書で調べると、「酒類のメニューを扱っていない喫茶店」(小学館『デジタル大辞泉』)となっておりますが、この言葉の背景には、昭和初期の飲食店事情が関連しています。当時、喫茶店の一部に、お酒を置き、女性の接客サービスを伴う営業形態があり、こちらは「特殊喫茶」と呼ばれておりました。これに対し、お酒の提供はせず、純粋にコーヒーなどを楽しむことを目的とした喫茶店を「純喫茶」と呼んだのです。現在でもこの呼び名を残したレトロな雰囲気の「純喫茶」、見かけることがございますね。
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本日は、2月6日『抹茶の日』にちなんで、「茶」という字の入った、意味を勘違いしやすい日本語から、
・茶羽織(ちゃばおり)=丈の短い女性用の羽織
・純喫茶(じゅんきっさ)=お酒のメニューを扱わない喫茶店
の、言葉の知識をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『くらひろmedia by TEPCO』ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱