「共振」という言葉をご存じですか? 日常、あまり使われることがない言葉ですが、地震大国である日本にとって、「共振」を活用した耐震技術は、非常に重要なものとなっています。今回のテーマは「共振」。その意味や使い方についてわかりやすく解説します。

【目次】

共振とは? すべての物体は固有の振動数をもっています。
すべての物体は固有の振動数をもっています。

【「共振」の「読み方」「意味」など「基礎知識」】

■「意味」

まず、『デジタル大辞泉』で「共振」を検索してみましょう。「共振」とは「振動体に固有振動数と等しい振動が外部から加わると、振動の幅が大きくなる現象」とあります。少しわかりにくいですね! そもそも「振動」とはなんでしょう。「振動」とは、糸で重りを吊 (つ) るした振り子が左右に揺れる運動のように、位置や量が、ある時間ごとに繰り返し変化する現象のこと。そして重要なのは、「すべての物体は固有振動数をもっている」という事実です。「共振」とは、物体がもつ固有振動数と同じ振動を外部から受けると、それが僅かな力であっても、そのエネルギーは効果的に吸収され、物体の振動が増大なる現象のこと。

■固有振動数とは?

「固有振動数」は構造物がもつ固有の「共振周波数」のことでもあり、単位はHz(ヘルツ)。例えば、振り子は振れ幅にかかわらず、一往復にかかる時間は一定です。つまり振動数は変わらないということになり、これが固有振動数(共振周波数)です。

■ビジネスシーンではどう使われる?

「共振」は比喩的に使われることもあります。例えば、組織内では、社員同士、または課や部などのグループ同士、もしくは経営陣と現場など、小さな集団同士が互いに理解し、影響し合い、共通の目標に向けて高め合っていく関係性を「共振」と呼ぶことがあるようです。


【身近な「共振」がわかる「例文」4選】

■1:「ブランコに乗ったとき、漕ぎ手がブランコの固有振動数に合わせてタイミングよく漕ぐと、ブランコの振れ幅はどんどん大きくなります。これが共振です」

■2:「ステンレス製のボールの縁をこする続けると、水面が泡立ち、やかて水しぶきが上がる。これも身近な『共振』の現象だ」

■3:「弦楽器、例えばギターは、弦を弾いた音をボディで共振(共鳴)させることによって、大きく響かせている」

■4:「組織全体が共振するためには、経営層は現場の視点を、現場は経営層の視点を理解・共有しつつ、ひとつの目標に全体で受かっていく意識が重要になる」


【「共鳴」との「違い」】

結論から言うと、「共鳴」は「共振」の一種です。「共振」は電気振動を主とした全般を指し、音に関する場合は「共鳴」と言います。また、ここから転じて「他人の考えや行動などに心から同感すること」も「共鳴」と表現します。


【「共振現象」とは? 】

前述の通り、すべての物体は固有振動数をもっています。地震の際、特定の照明器具や家具だけが、激しく揺れた経験はありませんか? これは地震による振動と、その照明器具や家具がもつ固有振動が一致したことで引き起こされた現象です。物体に外部から振動を与えたとき、物体の固有振動数と与えられた振動数が一致して振幅が大きくなる現象を 「共振現象」と言います。建物や機械装置において、外から受ける力の振動数と固有振動数が一致すると大きな振れ幅になり、破壊や破損の大きな原因となります。つまり、「共振」を避けることで、建物や製品の耐久性は向上し、その破損や機能障害を防ぐことができるのです。耐震技術に「共振現象」を利用したものが多いのは、こうした理由からです。


【「英語」で言うと?】

「共振」に相当する英語は[resonance]、「共鳴する」は[resonate]です。

・The sound resonates.(音が共振する)

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いかがでしたか? 「共振」を活用した技術は、建物や製品の耐久性を向上させ、その破損や機能障害を防ぐうえで大変重要なものとなっています。ブランコを漕ぐ動作についても「共振」で説明できるとは驚きです。「共振」については学校の物理の授業で習ったはずなのですが、人気漫画『呪術廻戦』を読んで「初めてわかった!」という人も少なくないようです。知識を定着させるために、何がきっかけになるかは、わからないものですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) /『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :