結成30周年を迎える記念すべき周年公演であり6年ぶりの新作として Daiwa House Special 地球ゴージャス三十周年記念公演『儚き光のラプソディ』が上演されます。Precious.jpでは舞台稽古開始直前のタイミングで今作に出演する中川大志さん、風間俊介さんを直撃。全3回にわたるインタビューのVol.3をお届けします。
【俳優・中川大志×風間俊介 インタビュー Vol.1】話題の演劇ユニット“地球ゴージャス”の新作『儚き光のラプソディ』で初共演
【俳優・中川大志×風間俊介 インタビューVol.2】岸谷五朗さんや寺脇康文さんとの濃密な舞台稽古から生みされるものとは…?
「公演中は一生懸命筋トレしていても、舞台が終わった瞬間ピタっとやめてしまう自分に驚きます(苦笑)」風間俊介さん
―――実は風間さんと中川さんは今日(取材日当日)が初対面なんですよね。Vol.2では風間さんが中川さんのお芝居に真摯な姿勢を絶賛しておられました。
中川 「いえいえいえ…(照れて少しうつむきながら)。僕もこれから風間さんと一緒に稽古場に入れることがものすごく楽しみです。舞台稽古から公演の終わる千穐楽までの間って、本当にひとつの旅のようなものじゃないですか。そして、カンパニーで過ごすその時間は何か青春のような感覚がありますよね」
風間 「そうだね。本当にそんな感覚になっていくよね」
中川 「さきほど、告知動画を撮っているとき(※Preciousインスタグラムにて公開中!)にちらっとお話しましたが、この公演が終わるころには果たして風間さんとどのような関係性になっているのかも僕は楽しみです」
風間 「これがもし仮にね、中川くんとここから10年、20年の長い付き合いになったとしたら、今日初めて会ったときのエピソードはこれから永遠に語られるからね(笑)」
中川 「(遠くを見つめるようなまなざしで)“あの日は夜まで俺たち一緒に取材を受けたよな…”みたいな感じですよね、きっと(笑)。でも、風間さん始め今作の舞台は憧れの先輩方がたくさんいらっしゃることもとても心強いですし、その一方で、これまで自分がいちばん年下であることが大半だったのが、今回は僕よりも年下の鈴木 福くんがいてくれることも新鮮に感じています。そんな、世代を超えてひとつの作品に取り組む我々が果たしてこれからどんなふうに絡み合っていくのか。いろいろなことが今からとても楽しみです」
――稽古場で生まれるであろう様々なケミストリーや“岸谷マジック”も気になります。
風間 「地球ゴージャスの精神性としては“いいパフォーマンスをするためには、みんな何が大事か考えようぜ!”という空気になってくると思いますよ」
――公演は東京から大阪まで長丁場になりますが、その期間にルーティンにしたいことはあったりしますか。
中川 「今作の中でどれぐらい歌があったり踊りがあったりするのか、まだ見えていないところがありますので、そこも含めて僕はこれからですね」
風間 「僕は去年『隠し砦の三悪人』という作品に出演したのですが、公演期間中に一生懸命筋トレをやっていたんですよ。本来は体を動かすのがそこまで好きじゃないタイプなのですが、熱心に腹筋などを続けていたんです。自分でも“ここまで習慣づいたらきっとこの先も続けるだろう”と思っていたのに、舞台が終わった瞬間、ピタっとやめてしまったから自分でも驚きです(苦笑)」
中川 「なぜか役者ってそういうところがありますよね。終わるとガラッとモードが一変してしまうのって不思議です」
風間 「そうそう、“千秋楽を無事に迎えられてよかった〜、おめでとうよく頑張った自分〜!”って言いながら筋トレも卒業しちゃったから(笑)。おそらく僕はこのゴージャス期間にまたちゃんと筋トレを継続して、きっとまた公演が終わった瞬間にピタッとやめてしまうのだろうから、せいぜいやれるときに筋肉のストックを貯めておこうと思っています。筋肉も体力も大事ですからね」
――おふたりの楽屋裏もふまえながら想像してみると、今作がますます楽しみに思えてきました。
風間 「最近思うのが、インターネットなどの普及によって家の中でいろんなことができるようになるにつれて、劇場に行くという行為自体がイレギュラーになっている方も増えているということ。でもだからこそ劇場に足を運んでくださることへの尊さも感じていて。一方で、“演劇がどこか腰が重い存在になり始めた”からこそ、せっかく劇場に集まってくださった方たちに僕らはいったいどれだけのものを渡せるのだろうかとも思いますし。仕事が終わったらすぐ家に帰りたいかもしれないのに劇場に寄ってくださったり、仕事がお休みの日に劇場に来てくださる。その方たちに向けて、役者は何ができるのだろうかと自問自答してしまうのです。
今回のカンパニーでいえば、五朗さんや寺脇さんは時代が移り変わっても変わらず演劇を続けている方たちで、若いキャストは今が青春ど真ん中で、僕は今回その中間にいるような感じなんですよ。果たして僕らはお客様のために何ができるのか。幅広い世代の役者たちの答えが入り混ざったときに、きっと新たな特別な答えが生まれてくると思うんですよね。それをぜひ観に来てほしいなと思っています。とっかかりは人に誘われて、“え〜、ちょっとめんどくさいな”でもいいんです。劇場に来てくださった方たちが“演劇って面白いんだ!”と思って帰っていただける。まだ作品の内容も何もわかっていないにも関わらず、その確信だけはしっかりありますので」
中川 (風間さんの話を聞きながら、黙って静かに強くうなづく)
「実はけっこうポンコツなので、これからいっぱいボロが出てくると思います(笑)」中川大志さん
――意味深いお話をありがとうございました。おふたりの仲がこのあとさらに深まるためのヒント代わりに“実は僕ってこんな人”という知られざる一面をお互いひとつづつ披露いただけるとうれしいです。
中川 「実は僕ってこんな人…? 意外な一面を自己紹介する感じですかね。実は僕は……虫と高いところが苦手です」
風間 「おおお! けっこうね、それってなんかこう男の見せどころ的なところが…」
中川 「はい。なので本当になんにもできないです(笑)」
風間 「えっと、家でひとりでいるときにあの”いちばん怖いと言われている虫”が出たとしたら、もう大変?
中川 「親に電話します。“どうにかしてくれ”と、見失わないように目をそらさないようにしながら(笑)」
風間 「まじで?(笑) いや、意外。でもめっちゃ面白い」
中川 「あの、ほんとにポンコツな人間なので。これからいっぱいボロが出てくると思うんですけれど…」
風間 「いや、そのほうが人間らしくていいよね。そういうヤツがさ、“なんかお前意外にポンコツだな”なんて言われながらいざ本番になったらバシッと決めまくったら超〜好きになっちゃうみたいな。板の上では大丈夫ですね?(笑)」
中川 「(ささやくような声で)大丈夫です。やります(笑)」
――風間さんもぜひお願いします。
風間 「あまり知られていないかもしれないんだけど……ディズニーが好きです(きっぱり)」
中川 「ええと…知ってます(笑)」
風間 「知っててくれたんですか」
中川 「はい。お昼の番組などでいろいろと拝見していました。全然、“実は…”じゃないですよね。でも風間さんからディズニーのお話聞きたいですね! 風間さんほどではないですけれど僕も大好きなんですよ」
風間 「じゃあもう、今度いっぱいその話しよう。すっごく長くなるから時間があるときにぜひ!」
同じ組織に属する会社の上司と部下でもなく、かといって体育会系の先輩と後輩でもなく、どこか兄と弟のようなふんわりした温かみを感じるおふたりの談話でした。中川さん、風間さんが出演する地球ゴージャスによる舞台『儚き光のラプソディ』は4月29日から全40公演、ぜひご期待ください。
■Daiwa House Special 地球ゴージャス三十周年記念公演『儚き光のラプソディ』
【作・演出】 岸谷五朗
【出演】 中川大志 風間俊介 鈴木福 三浦涼介 佐奈宏紀 保坂知寿/岸谷五朗 寺脇康文 他
【東京公演】 2024年4月28日(日)~5月26日(日) 明治座
【大阪公演】 2024年5月31日(金)~6月9日(日) SkyシアターMBS
■中川大志さん衣装:ブルゾン¥64,900、シャツ¥49,500、パンツ¥47,300/UJOH(M) その他、スタイリスト私物
■問い合わせ先/M 03-6721-0406
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- PHOTO :
- 高木亜麗
- STYLIST :
- 徳永貴士(中川さん)、手塚陽介(風間さん)
- HAIR MAKE :
- 堤 紗也香(中川さん)、道中佳美(風間さん)
- WRITING :
- 谷畑まゆみ