室町時代後期に京都で創業した老舗和菓子店「とらや」。その代表的な商品が羊羹です。その中でもほぼ月替わりで登場し、一本一本丹精込めて職人が手づくりする「季節の羊羹」は、四季を感じられる手土産として好評を博しています。
季節の移り変わりを意匠化した「季節の羊羹」。今回は2024年春から夏にかけて販売される商品をご紹介します。
2024年春夏に販売される「とらや」の季節の羊羹8種
■1:藤棚に咲き誇る花を意匠化した「藤の棚」
現在販売中で、5月上旬まで販売予定の「藤の棚」。緑の煉羊羹と白・紫の道明寺羹で、藤棚に咲き誇る花を意匠化した季節の羊羹です。
平安時代には貴族にも好まれ、『源氏物語』にも描かれた藤の花。羊羹でその風流な趣をご堪能ください。
■2:端午の節句に行われた遊戯にちなんだ「菖蒲あわせ」
5月5日の端午の節句に行われた平安時代の遊戯にちなんだ菓銘をもつ「菖蒲(あやめ)あわせ」。紫や白のあやめの花が咲き競うさまを思わせる羊羹です。
こちらも現在販売中で、5月上旬までの販売予定です。端午の節句のお祝いのお席にもぴったりですね。
■3:静岡産の煎茶を使った「新茶の雫」
5月中旬から下旬頃、新茶の季節に合わせて発売されるのが「新茶の雫」です。静岡産煎茶を使った、爽やかな新茶の風味の羊羹です。
緑の煉羊羹には、少し粗めに挽いた新茶の粉末を、空を表す琥珀羹には細かい粉末が用いられています。お茶のおいしさを思う存分お楽しみあれ。
■4:甲斐国の歌枕にちなんだ菓銘「指出の磯」
小豆入りの道明寺羹と黒煉羊羹を斜めに配し、千鳥が磯辺に群れ遊ぶ情景をあらわした季節の羊羹「指出の磯(さしでのいそ)」。菓銘は甲斐国の歌枕にちなんでいます。
販売時期は5月中旬から6月中旬ごろを予定しています。
■5:フランス産のブランデーを使用した「琥珀のしらべ」
芳醇な香りのフランス産のブランデーを使用した煉羊羹を丸く抜き、琥珀羹と重ね合わせた季節の羊羹「琥珀のしらべ」です。菓銘の「琥珀」はブランデーの色に、「しらべ」は模様の配置があたかもリズミカルな音楽を思わせることにちなんでいます。
販売時期は6月上旬から6月中旬を予定。
■6:美しい夏の景色を表現した「夏の浜辺」
「夏の浜辺」は、いつまでも心に残る美しい夏の浜辺を表現した羊羹です。上段の琥珀羹は海を、中段の白道明寺羹は波を思わせます。下段の白煉羊羹は浜辺を表し、貝殻に見立てた小豆が散らされています。
販売時期は6月下旬から7月下旬予定。真夏の海に想いを馳せて、ぜひ楽しみたい羊羹です。
■7:珍しい青柚を使った羊羹「青柚の香」
熟す前の鮮やかな緑の柚子の実「青柚(あおゆ)」を使った季節の羊羹「青柚の香(あおゆのか)」。青柚は夏だけの味わいで、菓子としては大変珍しいものなのだそう。
蜜漬けし、細かく刻んだ青柚の果皮を入れた緑の煉羊羹と、熟した柚子の果汁を加えた黄色の煉羊羹を重ね合わせています。
販売時期は7月中旬から8月中旬ごろです。
■8:涼やかな水辺を思わせる意匠「水の宿」
「水の宿(みずのやどり)」は、白道明寺羹と青琥珀羹を組み合わせた羊羹で、陽に照らされてきらめく渚や泉を思わせる意匠です。暑い夏に、涼やかな意匠の贈り物は喜ばれること間違いなしです。
販売時期は7月下旬から8月下旬ごろの予定です。
色彩のコントラストが美しい羊羹は、季節感のある手土産としても好適です。状況により販売期間が前後する場合があるため、詳しい販売状況は各店にお問い合わせくださいね。
ぜひ今年の春夏は、とらやの「季節の羊羹」で、季節の移り変わりを感じてみてはいかがでしょうか。
※無くなり次第終了となります。
※一部取り扱いのない店舗があります。
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- Precious.jp編集部