「空く」ってなんと読む?文脈で変わりますよ!
明日、5月26日は『空き家の将来を考える日』。2015年のこの日に、日本初の空き家に関する法律「空家等対策に関する特別措置法」が前面施行されたことにちなんで制定された記念日です。空き家の数が全国で増加し続け、社会問題となっている昨今、空き家を所有している人や、これから空き家を出すかもしれない人たちに、問題を正しく理解し、空き家の将来について考えるきっかけを提供したい、という願いが込められています。現在所有している不動産だけでなく、相続予定のものについても、日ごろから考えておくことが必要ですね。ということで、本日は「空」という字の入ったクイズをお送りします。
【問題1】「空く」ってなんと読む?
文脈に合わせ、以下3例の「空く」を、それぞれ正しく読んでください。
1)席が空く
2)電車内が空く
3)胸が空く思い
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… (1)あく(2)すく(3)すく です。
「あく」は「空く」の常用漢字の読み方で、「すく」は表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)ですが、日常的な使用頻度の高い言葉です。「すく」と読む「空く」は「ヒマになる」「中のものが少なくなる」「つかえが取れるさっぱりする」という意味で使われます。文章になっている場合は、文脈に気を付けて読んでくださいね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「空っ風」ってなんと読む?
「空っ風」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「冬季の、北西寄りの乾燥した冷たい強風」を指す言葉です。
<使用例>
「僕は群馬出身なので、空っ風には慣れっこですよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… からっかぜ です。
「空(から)」は常用漢字の範疇の読み方です。例文に出てきた「群馬県出身」と「空っ風」の因果関係は、「上州(現在の群馬県一帯)名物といえば、かかあ天下と空っ風」という慣用的な概念によります。この地域では奈良時代から蚕糸(さんし)業が盛んで、その担い手である女性の収入が多かったので、家庭内でも女性の立場が強い傾向にあった…という歴史と土地柄を表した言い回しです。
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本日は、5月26日『空き家の将来を考える日』にちなんで、「空」という字の入った日本語から、
・空く(あ-く/す-く)
の読み分けと、
・空っ風(からっかぜ)
の読みかた、言葉の背景をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/日本空き家サポートホームページ/at home VOXホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱